まさかの時 / ヒーローとヒロイン / 救うのはどっち?

Title : ハンペン野郎のマサカ・フィーバー

 

 

日本映画では未だ未だその様な傾向は少ないが、これが海外映画、特にハリウッド映画となるとホラー映画のスプラッター(どえりゃあリアルで生々しく、かつ血生臭い殺傷描写)場面の描写たるや壮絶極まりない。

まあ、今や芸術の域にまで到達した特撮技術、目いっぱい使わない手はないわけで、もはや本物との区別さえつかない実話成りすましである。

 

 

Title : 顔の真ん中に未確認生物!恐ェェ~!

 

 

ハリウッド映画の名作とされるスプラッター物をやったら観ていて、ついぞ面白いことに気が付いてしまった。言われて見れば確かにそうだー!、だけどナニゲに気が付かなかったヨー的な。それを記そう。

 

主役(襲われ逃げ惑う側)が17歳あたりから25歳くらいのカップルである場合。

1⃣  ハッキリと自分達に向けられた殺意を認識する2人。

宇宙人もしくはゾンビ、あるいはサイコパス、またはマフィア、でなければギャング、ありがちに幽霊、亡霊、怨霊、最悪で悪魔、ありがちにカルト集団、意表つく形でチワワのゾンビなどの襲撃を1度ならず2度までも受けてしまった辺りで、間一髪難を逃れて何処かに身を隠す悲痛な2人。

「オレがオマエを守ってやる。いいな?」的なことを男が女にキメ台詞。

蒼ざめる決意顔の男を見つめ、キッパリと頷く女。

 

2⃣  襲ってくる上記の何がしかは次第にドを失い、全くもって手がつけられない状態と化し、半狂乱でヒーローとマドンナを執拗に追い回し追い詰める。

やられなかったのが奇跡だと思えるような危険極まりないシーンが速射砲の様に2人を、視聴者を襲う。

そのハザマで周囲の関係者らも次々と惨殺されてみたりして。

 

3⃣   彼女を必死で守りながらケナゲに戦ううち、ヒーローは何がしかの致命傷1~3歩手前の傷を負わされてしまう。大抵の場合、片腕だとか片足が多い。

ヒーローが歩けなくなってしまう状況は絶体絶命の感が強くなるので、足に傷を負うケースが腕のソレよりか、多い。

 

4⃣  孤立無援となり、戦うか死か、の二者択一を迫られるマドンナ。以降、か弱き彼女は意表をついて仰天する程強くなる

。逃げ足の速さ、傍にある適当な物を武器にし、金切り声を上げながらサイコパスだか悪魔だか吸血鬼だか知らないが、ソイツをブチのめし、機敏に身を隠してみせる。

「アア!! 、神様神様、お助けくださ…キャーッ!!」 と身をひるがえし脱兎のごとく彼の元へ。

足手まといの彼に肩を貸し、何とか徒歩逃走を試みるか、或いは

「警察を呼んでくるから隠れていて!」などと言ったりするが、

大抵、言い終わった瞬間にチワワのゾンビだかマフィアの殺し屋だか何だか分からないが、ソイツが襲いかかって来る。

 

5⃣  面白いことに気が付いた、というのはココ。マドンナは開き直ってか、火事場の馬鹿力か分からないが、猛然と恐れ知らずの女に瞬間転化、

「ウォォォォーッ!!。このいまいましいクソ野郎ッ!!。もうほっといてヨーッ!!」

と、人造人間だか人食い狼だかに強烈な一撃をお見舞いし、

結局それが悪魔だか呪いのミイラだか分からないが、

とにかく唐突に、悪夢は去ったと知らしめる朝日が急に差し込み始め、

誰が911したかは分からないが、

同時にパトカーのサイレン音が遠く小さく聞こえ始め、

画面下からゆっくりとテロップが上がり始める。

 

 

① 最初にヒーローがマドンナに言った「オレがオマエを守る」は、明らかに、それが男ってものだろう、ン?。みたいな男の保護本能エンジンが見てとれる。

 

② マドンナは結果的にヒーローを助けるが、大抵の場合、母性本能、保護本能らしきものは余り見受けられず、自分が危ないからやったまでのことで、それが間接的に彼の命をも助けることになったという、いわゆるオマケ的な、極めて純度の高い自衛本能のみが見てとれる。

映画を見終わった男達の脳裏にはシックリこない何かが去来するが、あまり深く追求することなく余暇の時間は終る。