都会暮らしで一番危険なことは?

Title : 都会見物に来たサボテン

 

 

田舎暮らしから都会暮らしへ。理由は様々。戻る人もいれば二度と戻らない人も。戻りたくても戻れない人も。

田舎にはプライバシーがない。その点、都会は気楽。これが都会人の共通認識。ネットでプライバシーを抜かれることがあるが、隣人達の噂話とは別物。

文明は進み、あらゆる事柄が効率化され便利になった。全ては効果的でなければならない。人と人の交わりから生じる一切の生きる意味、それはむずかしい。悩む。答えが出ない。どうしてよいか分からない。疲れた。もうイヤダ。

だったら、やめてしまえ。

人と交わるのをやめ一切の交流を遮断しようという試み。それこそが安全で効果的な人生設計。忙しい。24時間では到底足りない。自分の時間を確保する意味でも、人付き合いの停止は、省略は実に効率的だ。

今やこれが都会人の共通認識なのか。なりつつあるのか。文化として公認されるのか。

一流企業の衰退が始まった。これは一部で一過性のものなのか。それともドミノ倒しの序章か。

ペンギンのダンス

Title : ひょうきんな子はひょうきんなまま成長させたい

 

 

毎日毎日定時に出勤するペンギン。巣から同じコースをたどり海へ向かう。団体で。危険な海へ。

人と似ている。私達と。

親の留守中、勝手な行動をとり行方不明になるヒナも多い。そして悲劇が起きる。

人と似ている。私達と。

 

いいや違う。私達とは似ていない。私達は話せるが、彼らは話せない。親同士、申し合わせが出来ない。

3人のキノコ

Title : このままがいいんだ、ほっといてくれッ

 

 

1人目のキノコは、苦しみに沈む彼女を前に

何一つ言葉をかけることが出来なかった。

言うべき言葉が思い浮かばなかったのだ。

 

2人目のキノコは、胸が張り裂けそうな絶望に浸る彼女に

一緒に居てあげる、と涙声で言った。

 

3人目のキノコは、うちひしがれしゃがみこむ彼女と

一緒に泣いた。

 

結局、彼女を救ったのは、3人とは別の通りすがり。

ソイツは、自らの命を絶とうとする彼女に言った。

 

「分かち合おう。分かるまで話してごらん」

彼女は彼に心を開き、ポツリポツリと話し始めた。

 

3人のキノコは、

自分達が未だに未熟で

1人前の男ではないことを思い知らされた。

 

今、3人を凄まじい涙の暴風雨が襲う。

しかし、それは

案外苦しいものでは、なかった。