音楽と力

Title : スズメバチ

 

 

最強の黒人グループを次々に輩出したモータウン・サウンド。甘くロマンティックな旋律ゆえ、かろうじて社会的存続を許された。ただの恋愛ソングだから。

我が身我が世の存続を賭けスパークする強烈な自己主張、ラップに辿り着くまで、彼らは長き道のりを耐えた。

ヒットするか否か、儲かるか否か。それはいついかなる時代もレコード会社の仕事。アーティストやミュージシャンは事あるごとにそれとぶつかるだけ。最初から迎合など有り得ない。音楽は我が身の化身、ツアーを営業などとは絶対に呼ばないし、ましてやコンサートを商売などと言ったりはしない。

不思議でならないのは、冗談交じりに何故自身の存在を愚弄するのだろうか。攻撃への保身なのだろうか。

歌手が売れることしか考えていない。そんなことは有り得ない。有り得るはずがない。自分が紡いだ言葉の主張が皆の物なら、浸透するだろうと確信するだけだ。一見前者と後者は似ている。そこがゴマカシの腕の振るいどころだろう。