地味ながらも江戸前の寿司ネタに欠かせないコハダ。コハダの処理の仕方を見れば職人の技量はすぐ分かる、と何かのグルメ本で読んだ記憶があります。ボクも思いがけずコノシロ(コハダの正式名称)をマグレで釣り上げ、喜びいさんで捌いてみたことがあります。小骨が多くて苦心惨憺(くしんさんたん)でしたよ。涙ぐましい作業でありました。
しかしまァ、ボクは寿司職人ではありませんから別に見栄えが酷くてもヘッチャラ。サッサと寿司酢に1日漬け込み、サッパと同じくサランラップ巻きして速攻押し寿司!。食してみると何とも言えない不思議な味。美味しいような、そうでもないような…。握り寿司は昔から大好きでしたがコハダはほとんどパスでした。1度食べて美味しく感じなかったからです。皆さん同じ感想なのでしょうか、回転寿司でもあまり見かけないネタになってしまいました。やはりコハダが旨いか否かは職人の腕ひとつにかかっているのでしょうねえ。
サッパと間違えられることがありますが、背ビレ最後部がヒョロヒョロ~っと紐状に伸びているので区別出来ます。戦国時代から食べられているそうで、日本人の底力のため是非とも必要不可欠な青物だと思われますが、いかんせん、何故か近年漁獲量が減っているそうです。堤防釣りをしていても「昔はいっぱい釣れたんだけどなあー!」と嘆く釣り人少なからず。皆があまり食べなくなったので「どうせ僕なんかジャマ者なんだろ!、ビエーイ!」とすねて何処か遠い彼方へ姿をくらましてしまったのかもしれません。
◆コノシロ29センチ。夜釣り、3号棒浮きにハリス2号吹き流し、中通し錘(オモリ)3号、セイゴ鍼(ハリ)にイソメ。ハリ上70センチにガン玉2B。
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