Title : 歴史のプリズム
イギリスが誇る007最新映画が公開される。007シリーズのほとんどは登場するデスクにPCがない。だが時は流れ、今やTVドラマから映画作品に至るまで,想像絶するハイテクシーンのオンパレード。
アメリカが誇るバットマン、登場当初に比べれば格段のコスチュームアップ、機材アップは、目を見張るを通り越して最早単独ハイテク軍隊。かたや007は演じる役者が変わることだけが目玉の感さえある。007に総合格闘技007が似合わない理由はタキシードと言う名の伝統の重みかもしれない。
すなわち、既に007は超人を目指してはおらず、極端な見方をすればスパイという職業従事者の域を出ない。つまりはスーパーヒーロー足り得ない。代わりに、格調の高さ、揺るぎない大人の香りは超人の魅力をしのぎさえする。
イギリスの伝統が007を超越した存在にすることを拒んでいる。それがイギリスらしさであり誇りだと主張しているかのようだ。
伝統は発展を阻害し、それを上回る恩恵を人々にもたらす。
伝 ⇒ 人が云う
統 ⇒ 糸が充実
人伝えに続いてゆくもの、切れない糸は細々と確実に受け継がれてゆくのだろう。無論、その充足感は半端ない誇りに違いない。