全ての日本人に “隠してビックリ” なる名称のDNAが組み込まれていることは周知の事実。「えー何だソレ。そんなの知らない」という人も意識してないだけ。ドップリ首まで “ 隠してビックリ” 入り浸り。
食器に被せ蓋 (かぶせぶた)が付いている。家庭の食卓では面倒だから使わないけど、外食だと付いてることが多いよね。味噌汁やお吸い物にもフタ付きお椀、フタ付きドンブリ、天重やウナ重にも被せ蓋。
「お待ちどうさま」「どれどれ開けるの楽しみだなあ~ ♪。オオーッ旨そぉーッ!!」と開けてビックリ玉手箱!。そういや浦島太郎(日本の有名なおとぎ話)が竜宮城からお土産に持ち帰ったのも被せ蓋だったっけねえ!。料理が冷めない為だけではなくて、やっぱりサプライズDNAなんだよね。もったいつけて、隠してビックリ、開けてビックリのパフォーマンスは人を楽しませるための趣向に違いない。 “ おもてなし” の達人である日本人は食事の膳でも趣向を凝らしたいってわけ。
“ わんこそば ” もそんな日本人の “ 隠してビックリDNA” から生まれた発想としか思えない。岩手で生まれたこの趣向、なかなかどうして面白い!。お客のお椀に一口大ソバを、慣れた手つきで店員がサッと投げ入れる。食べ終わるやいなや再び速攻、ソバ入椀ストライク!。満腹になったら「もう結構」とお客はお椀に被せ蓋。フタが食事終了の合図だなんて、逆バージョンで面白い。だってこれ、まずフタありきの遊びだもんねえ~。外国料理にも被せ蓋あれど、日本のソレとは感覚がチョット違う気がする。
だって、かつての電話ボックス思い出してみて。日本人は特に違和感感じなかったけど、やっぱり外国の人が見たら隠してビックリ、開けてビックリだよ。ボックス経費いくらかかったの?。ウナ重だって箱に蓋、箱もの行政にもフタがある。アメリカの宅配ピザも被せの紙箱だけど、あれは配達の便宜上であって、食卓では皿の上にピザ乗っけるだけだもんね。
日本人の隠し美学、その極めつけは押入れだよね。枕にお布団、まとめて「ヨイショッ!」。神輿(みこし)担いで押入れ奉納だぁーい!。海外なら出しっぱなしでしょ、寝具一切。押入れないから敷き布団なしだよ、だからベッドか!それ納得!、クローゼットにゃ入らない。日本人は万年床を、ズボラでだらしのない暮らしの証拠と見なす。自分の体臭がついた寝具を人前に晒すなどもってのほか。自分も恥ずかしいけど、第一お客様に失礼でしょッ?!、 が常識。万年床丸見えの真横の部屋でお客様とお食事、なあんて人居ないモンね。居たら常識疑われること間違いなし。
“ 臭い物にはフタ ” 。多くのコトワザが使われなくなっていくご時世、この言葉の使用頻度はもの凄い。何故って、ルーツ忘れる暇もなし、フタを開けたらビックリ仰天玉手箱。マルコ・ポーロ(その昔、ヨーロッパへアジア情報知らしめる “ 東方見聞録 ” を記した著者。ベネチア商人)さん、ミラクルアイランドで不思議の国ジパングって、フタのこと言ってるんでしょぉ~?。違うのぉ~?。
◆写真タイトル / 隠されたワサビ (スルメイカ握り寿司)
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