材木問屋の言い分 / ゴス顔のオカシラ

 

 

 

「オヤッさん、薦められたブログ、寝込んでもワッセイ、読みやした」と材木問屋手配頭のゴンスケ。

「おう、どうだってぃ。言ってみねえオイラに。聞かせてくんねぇ、ソッチョクなところをよぉ。何かい、もしやオメエもオイラと同んなじキモ具合かい」

「ヘエ、オヤッさん。おっしゃる通り。お茶屋の言うことイチイチごもっとも。茶番だ茶々だと怒んのも無理からねぇや。そこんとこコチトラと変わりねぇ案配かと全力投球で思いやした。オヤッさんと変わりねぇ心持ちでさぁ」

「こいつ、オイラを喜ばせるようなこと抜かしゃあがって(ニヤリ)。オイラもお茶屋に同情するぜぇ。それは材木問屋のコチトラもご同様でぇ。世間の奴ら、やれ、トウヘンボクだのデクノボウ(棒)だと嘲けり言葉を使ってよ、ボクだのボウだの木のことばっかじゃねぇか。オーウ、ゴンスケ、オイラ達何か後ろ指刺されるようなこと、ウチのモン、イッペンでも仕出かしたこたぁ、よう、今までにイチドっきりでもあったかい?!」と江戸っ子木助。

「とんでもねぇ!。ブルブルッ(激しくカブリを振る)、これっぱかしもありゃしねぇんで!。なのに気が多い奴を材木屋、木を見て森を見ず。どうも世間様の言い草聞いておりやすと、コチトラいちいち何か引っかかる。気に入らねぇ」

「(そう)ゆうことよ。枯れ木の花の賑わい、だと?。うちの女房連にケチつけてんのか?。誰がそんなこと吹聴して回ってやがんだ。キショウ、見つけたらカンベンならねぇ、キショウめ。ボクトツな奴、たぁなんだ、何から何まで木材を引き合いに出しゃあがる、オマケにそれをボクという呼び方でオブラートに包んだ気でいやがる、コチトラとっくにお見通しだってのによぅ!。汚ねぇ!。ヤリクチが汚ねぇッて言ってんだよコチトラァ!」

そこへオヤッさんの恋女房小枝、淹れたて(いれたて)の渋い茶とヨウカンを持って材木作業場へ入場。

「聞こえてんじゃないのよオマエさん。汚い言葉でゴンとまくしたててさ、ドブ板踏みみたいな物言いなやめなって言ってんだろアタシャー」

「何だと小枝、オマエ今なんつった!。ドブ板だと?、オマエ…」

慌てふためいてカシラをなだめるゴンスケ。「まあまあオヤッさん、まーまーまー!」「オメェそれでも材木屋の「マーマーマーマー!」

「何さ、これだからアタシャやだってんだよお!。すぐケンカごしになんだからねー。またこないだみたいにショッぴかれるよ。んなことばかりやってっと、この先、一生ボウ(棒)にふるって言ってやってんだよー」

「何だと小枝、オメェ今何てった?!.ボウにふるだと!テメェそれでも材木屋の女房か!このスットコドッコイのトウヘンボ……あ、言っちゃった……」