Title : 「オーイ ! 大丈夫なのかァーッ ?!」
かつて、五輪日本男子体操2大会金メダリストが野菜を一切食べない、と知った時、私は激しく当惑した。あの見事に鍛え上げられた肉体は?。あの驚異の身体能力は?。と…。
もう、大嫌いな小松菜とか我慢して摂取し続けるのやめようかな、と一時は真剣に首を傾げ続けたりしたものだ。
更に、五輪男子アイススケート銀メダリストが野菜をほとんど食べず、肉オンリーの食生活だと知った時、この情報は世のお母さん達にとっては天敵ではないかと苦笑せざるを得なかった。
その後知った。若いから筋肉は絶頂期にある。滅茶苦茶な栄養管理でも何とかなってしまう。若さとは、それほど勝手に輝きを放ってくれるものなのだと。だがしかし、
行きは良い良い、帰りは恐い
ということを知った。極度な栄養バランスを無視した食生活の継続は、特に30歳に突入してからは、病気や怪我に対する治癒力が異常なほど弱いということを。
前述の選手と完全真逆に位置する人が北島康介。
日本が世界に誇る、この素晴らしい人は、五輪2大会金メダリストのこのお方は、ストイックなまでに、ひたむきに自分を律し、苦しくも味気ないが栄養バランスが完璧である、差し出される皿を、文句ひとつ言わずに淡々と食べ続けた。
最近では国連に賛同し、世界中の飢餓にあえぐ子供達や栄養バランスが摂れていない子供達への救済プロジェクトを立ち上げたという。
私は、どちらの選手が人間として優れているか、などと考えたりすることは一切ない。人間の評価は人によって千差万別、模範解答など存在しない。社会的貢献度などで推し量れば、私などひとたまりもない人間である。
では一体何が言いたいのかというと、当の選手と周囲の人々との関係。それが気になる。
絶賛の嵐、賞賛。他人も身内も。
何故誰も言わないのか。言うと本人に嫌われるからか。
身体を大事にしなよ。と。
では一体、周囲の人々には何が栄光だったのだろう。
メダルは、全ての大切なものより重い。