敏感な耳 / 擬音 / 和菓子

Title : カレーを食べに日本へいらっしゃい

 

 

「雨がシトシト振るって、その感覚、日本人なら分かるジャン。ザンザ振りって言っても通じるジャン。雷がゴロゴロって分かんない人に合ったことないジャン。お前ある?」

「ない」

「日本なら犬はワンワン、アメリカならバウワウ、これって有名ジャン」

「オレもソレ知ってる。ニワトリはコッカ・ドゥードゥルドゥーだろ?」

「そうなんだよな。動物の場合は鳴き声ハッキシ分ンだよ、日本人ならずとも。なのに雨みたいな音とかは降り方を指す擬音がないんだよな外国には」

「外国ってどこ?」

「外の国だな」

日本人特有の共有感覚というものがある。そうなの?。どゆこと?。

「のれんに “  トンカツ ” と “ とんかつ ”って、それぞれあるジャン。トンカツだと隣にシャキシャキのキャベツがあって、カツのコロモもサクサクって感じするジャン」

「そなの?」

「そ。平仮名で、とんかつ、だと隣に温ったかい味噌汁の湯気出てて、和風な感じ。衣チョイしっとりしてる様な感じジャン」

「マジか」

「お前どうなの」

「オレは、ほら、豚フライって呼んでるから」

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