キーワードはどこへ / 会話術を磨け / 社員食堂にて

Title : ミッキィ

 

 

社員食堂片隅にて。

「何故、キミ達女性はカツ丼を避けるのか。ボクはちょっとソレが引っかかるんだ。だから教えて欲しい。ドンブリ持ちながら食べるのが重いからなの?。仲間で腱鞘炎になった者がいるけど、そんな不安も無きにしも有らず、って感じ?」

結構、社内の独身女性のお目当てにされていた独身次長A(ドイツに留学経験があるのでドイツ語発音で、エーではなくアー)は確実に1ポイント下げた。珍しく後輩女子らに話しかけたのがアダか。

「持ち上げないと食べられないですか?。私、テーブルに置いたまま食べられます普通に」

「アタシも」

「ちょっと斜めに傾けることは、あります。でもソレッって、おドンブリの中身がチョッとしか残ってない時ですけどね、エヘヘ」

「違うんだなボクの言ってる趣旨と。まるで。前からいぶかしく思ってたんだよね。いや、ていうか、焼肉屋で女子会って結構やってるでしょ?。お肉好きだよね女子も。トンカツは油で揚げてるから太るの気にしてるんでしょ。ネー?。焼肉は焼いてるとアブラ落ちちゃうもんね。そういうことでしょ」 “キーワードはどこへ / 会話術を磨け / 社員食堂にて” の続きを読む

肩書社会の崩壊序曲が聞こえる!

 

 

 

「日本人は自らのアイデンティティーを失いつつあり、今や成すすべなく立ち尽くしている状況下にあるな」とマナモード研究所所長の猫春。昼飯時についたのだろう、口ひげにデンブのピンクが異彩を放つ。

しかし、30分が経過した今なお、それが落下しないことに首をかしげるマネーモード発案所次長の眼鏡冬、目を細め猫春を見やりながら、薄ら笑いでニヤリながら、

「ああ。やはり気づきましたか。先週その話が出るんじゃないかと思ってましたが今週ですか。思った程のウツワじゃないんだなアンタ」

「かつて新宿はピンキリ文化人が集まる街って共通認識があった、我々には。マスコミが作り上げたイメージだったとしても、あながち嘘ではなかったのだが」

「そうだ。原宿はオシャレな若者が集まるファッション文化のアンテナ・タウンという位置づけ、渋谷は女子高生のニュージャパ文化拠点、銀座はオハイソ族の気高き尾根。そうだよな?。今は全然違う。資本力ある店だけが主役だ」 “肩書社会の崩壊序曲が聞こえる!” の続きを読む