海釣りが初めての人でも、比較的簡単に魚が釣れてしまう。それを実現させてくれるのがサビキ釣り。冷凍圧縮されたプランクトンを解凍し、小さな網や器に入れて仕掛けにくっつけるだけ。仕掛けを海に投入し、竿を上下に軽く振っていると、海中にプランクトがワラワラ出ます。出尽くしたら再び詰めて上下振りの繰り返し。
そうこうするうち、やがて回遊魚軍団がコーナー回って直線コース!。あとはコッチのもの、一早く発生(魚にはそう見える)したプランクトン煙幕見つけて突っ込んできます。回遊魚は泳ぎながら捕食し決して立ち止まりはしませんから、結果的に掛かったハリを強く引くことになります。判りやすいアタリですよね。当然群れなので1度に何尾も数珠繋ぎ(じゅずつなぎ)で上がってきます。連なった銀色が、陽光を受けてツイストする様は子供達をエキサイトさせずにはおきません。
サビキ(上下誘いかけを、さびく、と言うことから)釣りに使用されるプランクトンはエビ(体長7mm程度)。これを大サジスプーンで30杯くらい、せっせと入れ物に詰め込みます。仕掛けには何本も鍼(ハリ)がついていて、ハリ自体がプランクトンに見える装飾が施されていますから、ハリにエサを付ける必要はありません。
回遊魚とは、全く休むことなく泳ぎ続けなければならぬ宿命を背負った魚のことです。マグロ、カツオ、サバ、アジ、イワシ。みんな美味しい魚ばかり。オール寿司ネタですねぇ。ここでは回遊魚サッパを紹介します。前者の寿司ネタ程の知名度は無し。鮮魚コーナーで見かけないからです。ということは乱獲免れていることになりますから、関東でもたくさん釣れる部類に入ります。
釣りをしている時、運良く回遊回数多いローテーション群に遭遇すると、僅か30分の間に100尾なんて珍しくもありません。サッパを使った郷土料理ではママカリが有名。マンマ(ご飯)をお隣さんに補充(借りる)してもらってまでも食べ続けたい旨さ、という意味からだそうです。ホントにそんなに美味しいのかな、とボクも試してみました。
ということで、ママカリ押し寿司!。短冊形に捌いたサッパを寿司酢に漬け込むだけ。ダシ昆布と鷹の爪も少々加えて丸1日冷蔵庫。写真の様にラップ巻きして即席押し寿司の完成!。あとは切り分けるだけ。サッパは既に酢漬けされいいますから酢飯の酢は極く僅かにしました。総制作時間僅か7分。食べてみますと、アッサリ、サッパリ、初夏のさざ波味!。酢飯とサッパの間にショウガを挟むと更にイケるかもと思いましたですよ。
◆サッパ 16~18センチ。真ん中にチビアジが1尾混じってますが…。