日本のお敬語 / 言葉使いの罠

Title : おモンキー

 

 

日本語には敬語というものがある。相手を敬う(うやまう)素晴らしい物言いだ。当の日本人でさえ、敬語を正しく使いこなすは非常にむずかしい。

手っ取り早く “ お ”を名刺の前に付ける。これは敬語なのかどうなのかボクは存じ上げない。

握り、に “ お ” を付けておにぎり。

二番煎じになるから寿司の握りに最早 “お ” をつけられない現実がある。

おバカというのが流行にもなった。可愛い感じがして好ましく響くからだ。

“ お ” と同じく、御(おん)というのがある。御歳暮、御手洗い、御馳走(ごちそう)、御無沙汰(ごぶさた)、ETC、ETC(エトセトラ)…。

おバカでなく、御バカ(おんバカ)だとどうだろう。妙に、そういった偉い地位でもあるような印象になる。

おトウフではなく御豆腐にすると、たちまち宮家御用達な豆腐に違いないと確信してしまう。反対に、「おぶさたしてます」「おちそう(お馳走)ですね」だと間抜け極まりなくなってしまう。

イントネーションで “ お ” と “ 御 ” を使い分けるのであろうか。それともハナから両者は同じもの、同一語なのであろうか。

「おミカンど~ぞ」はある。「おバナナど~ぞ」はない。おトマト、もない。

お野菜、お肉、お菓子、OK。お食パン、おカステラ、おソーセージはない。つまり外来語に “ お ” は付けない。お寝間着、はあっても、おパジャマはないのだから。

しかし、“ 腹 ” は日本語。でも、お腹(おなか)はアリ。

お手を拝借、お目目、お鼻、もアリだが、お心臓、お胃腸、はナシ。おトボケ、おフザケはあるが、お冗談はなくてゴ冗談と発する。

おウドンもおソバも許すものの、おキシメンは許されない過酷な世界。

お洗顔は見逃すが、お歯磨きはご法度。

お決まり、お約束は讃えられるが、お契り(おちぎり)は聞き捨てならない。お役所、お上(おかみ)は当然だが、お先生、お学校と言えば笑われる。

何という国民!。ただ者では、なああああああーい!!。