観戦者

Title : 誰かが外にいる

 

 

特に夜。

突然、苛立つように、督促するかのように、数回ドアを打ち鳴らす拳の音。

夜は、特にそれが恐ろしい。

息をを殺し、少しでも身体を小さな置石にしようとする両親。その姿を真似、いつもの様に両親にしがみつき小石となる子供達。もうここしか居場所がない。

 

せめて祖国の試合が終わってからにしてくれないか。

 

お願いだ。