Title : 焦るガイコツ
骨折り損のくたびれ儲け
という空恐ろしいコトワザが在る。骨を折ってはみたが何の利益も見返りもなかったという意味だが、そもそも、骨をワザと折る人が居るのだろうか。
誰の骨を折るのか。家畜の骨でも自分の骨でも、このコトワザ自体が不気味である。
ホラーコトワザとかサイコパス・コトワザとかのジャンルがあれば間違いなく上位ランキングであろう。
肉(皮)を切らせて骨を断つ
という猟奇的コトワザもある。こちらはまだ刃物を使って骨を傷つけようとする行為なので、骨をバキボキ折るという恐ろしき行為よりはホラー度数は低い。
だが、疑惑は残った。
骨を断ち損のくたびれもうけ
になったのだろうか。骨をバキボキ折るのは相当至難な業、それを行っても利益にならなかった以上、絶つ程度では到底儲からなかったことだろう。
つまり、骨にまつわる仕事は金にならない、と言いたいのだろう。だが、整骨院や骨接ぎは儲かっている。つまり、これらのコトワザの有用性は限定的なのである。
いずれにせよ、複雑骨折と単純骨折とでは治療の度合いが違い過ぎる。かなりのテクニカル的な腕を持つ人でさえ儲けには結びつかないシロモノなのだろう、このコトワザの言わんとするところはー。