骨折り損のくたびれもうけ / ホラーコトワザ

Title : 焦るガイコツ

 

 

骨折り損のくたびれ儲け

という空恐ろしいコトワザが在る。骨を折ってはみたが何の利益も見返りもなかったという意味だが、そもそも、骨をワザと折る人が居るのだろうか。

誰の骨を折るのか。家畜の骨でも自分の骨でも、このコトワザ自体が不気味である。

ホラーコトワザとかサイコパス・コトワザとかのジャンルがあれば間違いなく上位ランキングであろう。

肉(皮)を切らせて骨を断つ

という猟奇的コトワザもある。こちらはまだ刃物を使って骨を傷つけようとする行為なので、骨をバキボキ折るという恐ろしき行為よりはホラー度数は低い。

だが、疑惑は残った。

骨を断ち損のくたびれもうけ

になったのだろうか。骨をバキボキ折るのは相当至難な業、それを行っても利益にならなかった以上、絶つ程度では到底儲からなかったことだろう。

つまり、骨にまつわる仕事は金にならない、と言いたいのだろう。だが、整骨院や骨接ぎは儲かっている。つまり、これらのコトワザの有用性は限定的なのである。

いずれにせよ、複雑骨折と単純骨折とでは治療の度合いが違い過ぎる。かなりのテクニカル的な腕を持つ人でさえ儲けには結びつかないシロモノなのだろう、このコトワザの言わんとするところはー。

飾り包丁 / 飾り切り / 見栄えも味わいも良く

Title : ねじしいたけ

 

 

飾り包丁(かざりぼうちょう)というものがある。

煮付の魚だとかシイタケなんかに、包丁で の切れ込みが入っている。あれも飾り切りのひとつ。

料理を見栄えよく見せる、味が浸み込みやすくする、といった効果がある。

つまり、皆に残念がられる✖(ばってん、ばつ)も、良い意味で使われることがあるということなのだ。

 

別離という漢字の中にも、よくよく目を凝らしてみると、の飾り包丁が入っている。であるならば、別離に立ち会う人々に要求されるものは、お別れの演出が、見栄えと味を浸み込みやすくさせるという工夫だろう。

別れは必ず時が経てば美しき想い出に変容する。となれば離の✖が示すものは、胸打つ別れの言葉、握手やハグといったスキンシップと言うことになるのだろう。クロスし切り込むのだから記念写真では弱い気がする。

 

。きょう。空恐ろしいまでに大きな飾り切りが入っている。鍋のシイタケに入っているのもこんなヤツだったなと思われる人も多いはずだ。

凶という字に続きやすい漢字の代表格は。バッテンが本来持つマイナーなイメージ。その飾り、といえば、やはりイレズミとなるのだろうか。はたまた向こう傷というものか。味わいというのは恐怖心なのだろうか。

。これもよくよく凝視すると、間延びした飾り切りが見てとれる。サンマなどの細長い魚にバッテン切り込みを入れた時、このような間延びが見られる。目黒の殿様の敬を一心に集めた見事な味わい。

爽やか。さわやか、にまさかの飾り切り!。しかも四連発!。アアアア、やっぱりそうなんだ~。上段下段、左右に切れ込んでいるのは、やはり応援席観客の見栄えと味付け応援合戦。確かに試合に色どりをも添えている。

 

やはり、日本は包丁の国。漢字をチラリと見ただけでも、このようにアチコチ飾り包丁が…。怪傑ゾロなんてのも飾り切りを真似してる?。