Title : 「オレってＨ？」
男も女も浮気をする。
一生、１度たりとも浮気をしない人々もいる。
浮気をしたことはないが、心密かに機会を待ち望む人達も居る。
一夫多妻制が認められている国以外、
目移りの罪は万国共通、人間カップル永遠の課題だ。
しかるに、よく女性達は
不思議そうな顔をして異性にこう尋ねる。
「どうして男の人は、のべつまくなしに女の人を誘えるの？」
生理の違いは疑いの余地なしなのだが、
現に一生浮気などしない人達も存在する以上、
浮気経験者には何一つ出来る言い訳はない。アッチャ～ッ！。
人間が浮気をするのは何故か。
まして愛する恋人や妻が居るにもかかわらず
浮気をしてしまうのは何故か。
勿論、性欲が原因の最大値であることは誰も否定出来ないが、
また一方で心の淋しさを埋めたい一心で、
という理由も上位ランキングの常連であることは否めない。
相手への当てつけで浮気をする場合もある。
嫉妬心を煽り、自分への関心を再燃させることが目的なわけだが、
これをＯ型血液の男性に行うと
取り返しのつかない悲惨な逆効果になってしまう事実
を肝に銘じておくべきであろう。
◆今夜だけ恋人 (Jean-Jacques-Debout / 作詞作曲) 渋谷祐子
バラの花をベッドに しきつめて眠りたいわ
あなたの指の魔法が 背中にジュモンなぞるから
今夜だけ 恋人同士ね 今夜だけ 窓を開けたまま
別々の淋しさだけど 同じぬくもりが 欲しいの
耳の後ろに消えてく 風に似た 溜息ひとつ
名前は 聞かずにいてね 別れが つらくなるだけよ
今夜だけ 恋人同士ね 今夜だけ 窓を開けたまま
別々の淋しさだけど 同じ ぬくもりが 欲しいの
約束は何もないし 言い訳も ここには ないわ
愛し合えるひとときに 呼吸を合わせてゆくだけね
今夜だけ 恋人同士ね 今夜だけ やさしくなれそう
口にすれば壊れそうな やすらぎを抱いていたいの
一夜限り、別々の淋しさだけど同じぬくもりが欲しいという彼女。
こうハッキリと口に出してもらえると
相手も心の整理がつきやすいというもの。
いわゆる大人同士の割り切った関係というわけ。
しかも一度限(きり)？。更に賢い大人の対処法だ。
最初から割り切った関係だと口約束の上でコトを始めても、
繰り返すうちに情が入ってしまう人は少なくないのだから、
速攻リセットは男女の知恵。
彼女はこうも言う。
今夜一晩だけならやさしい女を演じきれる、
多分、最後まで出来そうだと。
口にすれば壊れてしまいそうな安らぎだと。
つまりは、毎日だと相手に対して
そうそう優しくはしていられない、
つい色々な事を口に出してしまい
安らぎさえもぶち壊しにしてしまう、と。
独身者か既婚者かは不明だが、
明らかに同棲や結婚の破綻を実感している女性だ。
現実世界をありのまま転写してしまわない。
そこに人々を慰めるエッセンスを加味した時、
初めて歌が生まれる。
どんな色合いで、どんな香りを加えたかで、
その歌謡曲の価値が決まる。
決めるのはリスナーであって、リスナーは時代の色に染まっている。
“ 今夜だけ恋人 ” は、
旋律、アレンジ、歌い手の声質、それらが一体となり、
詞中の男女が浸る一夜の安らぎをリスナーに見事に伝えてみせた。
この心地よい共有感こそが流行歌というものだ。
◆いいじゃないの幸せならば (岩谷時子 / 作詞、いずみたく / 作曲) 佐良直美
あの晩 あの子の顔も忘れて あの晩 あなたに抱かれた私
わるい女だと 人は言うけれど
いいじゃないの 今が良けりゃ
いいじゃないの結果オーライよ、という女性。
ドライに割り切っているその交際術は長年の恋愛経験によるものか。
初体験でイキナリこうだと末恐ろしいので、
やはり数々の経験を経て辿り着いた刹那主義だと思われる。
ここまで割り切れるなら
フタマタもミツマタもソケット次第でハブ可能。
愛を弄び愛に弄ばれる、そんなラストでさえ、
いいじゃないの幸せならばと言える女。
自身が傷ついても幸せな経験だった
といえる強さは並みの人間には到底無理。
この女性は、明らかに無責任恋愛の最高師範であり
免許皆伝保持者である。
厳格な規則やモラルが求められた時代だった。
その反動からこの楽曲は生み出され、
人々の絶大な共感によって大ヒットへと結びついた。
古い道徳観やルールに縛られ過ぎて、幸せ逃げてもアナタ平気？。
説得力にある歌である。
◆いつでもどうぞ (中村泰士/ 作詞作曲) 佐川満男
あなたが好きな時に 私をたずねていいのよ どうぞ
あなたが一人で 淋しくなったらいつでも どうぞ
浮氣をしては いつも淋しい顔して来るのね どうぞ
小さい事でも あなたは嘘つけないのね どうぞ
別れの言葉はだめ あなたが一番好き
淋しいどうし お互いじゃないの いついつ いつまでも
虫のいい男共が憧れてやまない理想の母性愛、
その極致がこの女性である。母性愛もしくは包容力。
『風と共に去りぬ』でクラーク・ゲーブルが演じた男は強くたくましい男。
その男が愚痴を打ち明けることの出来る唯一の相手
が娼婦館の女主人だった。
包容力のある女性の腕の中で眠りにつく
という夢想は男共の見果てぬ夢ではあるが、
母親と息子的な位置づけとなるので、
男は常に格下意識を持たざるを得ない。
つまりは結婚相手としては考えにくい
御しがたい相手。
結婚相手は自分が支配出来る女性がいい、
と多くの男共は考えてしまうものだから。
それにしてもこの楽曲、女性の包容力が何たるかを
十二分に理解し尽くした男性の手によるものだけあって、
耳に見事な心地よさ。これこそ大人の歌だ。
◆レディーX (阿久悠 / 作詞、都倉俊一 / 作曲) ピンクレディー
このままでいいでしょ いつの日か会いましょ
名前などいいじゃないの レディーX(エックス)で
その方が楽しく おしゃべりも出来るわ
何もかも知ったあとは 淋しくなるだけよ
さあ乾杯しましょ もうお別れよ
とてもすてきな夜だわ 恋をした気分だわ
不思議がいいのよ 恋なんて謎があるうちよ
このレディーエックスなる女性は、
今夜だけ恋人だと言い切る女性に一見似てはいるものの、
淋しさや安らぎより若さの謳歌、火遊び気分を行動の根拠としている。
故に、尾行を怖れたりしているわけで、そんな危険さえも
スリルとして楽しみプライドを満たしている。
それこそがスパークする若さというもの。
いいぞ！と言いつつ、くれぐれもストーカーに要注意と言わざるを得ない。
◆いつの間にか少女は(井上陽水 / 作詞作曲) 井上陽水
いつのまにか “ 愛 ” を使うことを知り
知らず知らず “ 恋 ” と遊ぶ人になる
だけど春の短さを 誰も知らない
君の笑顔は悲しいくらい 大人になった
愛や恋を手玉に取り弄ぶ女性を
男達は酷く嫌う。
いい加減な男は都合がいい女だと悦び、
何とか最大限に利用出来ないものかと考える。
つまりは恋愛駆け引きの手練手管に相当精通していないと、
このような女性は泣きをみることになってしまう。
相手を本気にさせてしまえば
異常な浮気女のそしりは免れないわけで、
大層な修羅場も多々経験することになるであろう。
命あっての物種ではある。
◆ラムのラブソング (伊藤アキラ / 作詞、小林泉美 / 作曲) 松谷裕子
好きよ 好きよ 好きよ 好きよ 好きよ 好きよ
星たちが輝く夜ふけ 夢見るの あなたの全て
愛しても あなたは知らんぷりで 今頃は 誰かに夢中
アア 男の人って いくつも 愛を持っているのね
アア あちこちに ばらまいて 私を悩ませるわ
あんまりソワソワしないで あなたはいつでもキョロキョロ
よそ見をするのは やめてよ
私が誰よりいちばん
好きよ好きよ好きよ 好きよ好きよ……
アア 男の人って 何人 好きな人がほしいの
アア 私だけ愛してよ いつも ひとりだけを
大人気ＴＶアニメ『うる星やつら』主題歌であるが、大人にも十分通用する名曲である。
男と女の生理の違い
をアッケラカンと見事なまでに言ってのけている。
深刻さ皆無の女心は若さの象徴で、
一途な女性の残念なサガを前に、
無頓着な脳天気野郎が滑稽感を引き立てている。
アニメの世界とは真逆、現実世界では後悔先に立たず。
一番愛してくれていた女性の存在
に気付いた時は既に手遅れ、
灯台下暗しの自分に嫌悪するばかり、は非常に多い。
淋しさ、心の風穴を埋めるための火遊び、
当てつけの冗談浮気、
性欲昂揚で魔が差した浮気などではなく、
浮気が最初から目的という人達も居る。
浮気にスリルを求めず罪悪感も持たず、
巧みな手法で配偶者の眼をくらます
特殊シールド能力に長けている人達。
誰しもが行う行為で、こういうのがあるでしょ？。
お気に入りの色んなアーティストのアルバムの中から
特に好きな曲だけを引き抜いてフォルダに集結させる。
そうすれば充実したリスニング・タイムが過ごせるわけで、
最高だと思える曲が終わったかと思えば、即
次なる曲も最高！、それがずっと続く。
それと同じ。
だから次々に魅力的な異性。
ひとりひとりのイイトコドリのコレクション。
これこそ究極の異性遊び。
魔性の女に魔性の男。
アレ？、どうして浮気男は魔性じゃないの？。
浮気は嘘拡大器。浮気は本気への階段。
浮気相手を躍起になって束縛しようとする人は
ナルシーなピエロ
いいだとかダメだとかの一般論、当事者には一切通用しない。
複雑怪奇な情愛劇、安全な場所から見守るしかスベはなし。
ポップコーン持参をお忘れなく。