Title : 燃えよ激安!!
「初回限定大好き!、
何何、それ早く言え、早くッ!」
と、大きな黒目を
ディズピカ ( ディズニープリンセス系アイキャッチ・ライト )
させる夏の恋人、その名も海家 ( みや。21歳、フリーター )。
「言うと思ったぜぇ~、ヘラヘラ。
幼児は、2歳くらいまでは固いモン絶対食わせちゃいけないってこと。
歯がイカレちゃうんだよ。
ベロで噛み砕くことが出来る、
くらいのモンしか食べさせちゃいけないってことサ。
これが、いわゆる初回限定。儲けた気分の情報だろ?」
などと、サーファー特有の
フッマイル ( フッ素加工を人々に促さずにはおかない歯並びの笑顔口元。別称、カコマイ )
を見せながら海家 ( みや ) の肩に手を回す
波流男 ( はるお。19才、アリゲーター )。
「価格破壊って言ったから、期待して聞いたんじゃんかよバカアー、
姉キの子供の話と何の関係があるっつうんだよぉー」
浜砂ついた足裏で、恋人半年目の
バミュパハー ( バミューダパンツの腿部を半分カットしてミニパンにしたもの。別称バミュミ )
のオシリを軽く蹴る、黒焦げ肌の夏美女。
「子供は、目につく場所に置いてある物を
考えも無しに口に入れる習性があるんだってよ。
そんなモンで喉詰まらせちゃったらシャレになんないだろ~?。
だから値札は、即刻ビリビリに破ってゴミ箱に捨てる
のが親の役目なのよ。コレが価格破壊、分かるっしょ?」
「じゃ、さっき激安って言ったじゃんかよ。ソレ何だよ、言ってみ」
「子供が喉に詰まらせるモンが
回りから無くなれば親は当然激安心。
アレ、オレそう言わなかったっけか。要するにサー、
初回限定、価格破壊、激安 = 幼児の為の安心環境整備スローガン
「これがキーワードってこと。今は少子化の時代だろ~?。
社会ぐるみで子供を守ろうって意識が高まってんじゃんか。
だから大人達はみんな目の色変えて
こーゆーキーワー追いかけ回してるってわけよ」
「え。そうなの。アタシ、みんな少ないお金でやりくり大変だから
目の色変えてるんだって思ってたんだけど。…違うの?。違う…」
「違わなくないよ。子供が喉に物を詰まらせたら大変だろ。
救急車呼んでヘタすりゃ命の危険さえあるぜ。
医療費考えろって。
固い値札、食品トレー、食品プラスチックケース、
何でもかんでも即ハサミ!。
小さく切っちゃえば、ゴミ袋だって3枚使ってたものが1枚で済むんだぜ、
ちゃあんとやりくりの役に立ってんだよ」
「じゃ、小さい子がいない家庭はどうなんだよおー。エ?。
大人が固い値札を喉に詰まらせるわけないじゃんかあー!」
「ま、そうだ。でもオレのダチなんかヨメに値札見せる時、
もとの本物捨てて、PCで巧妙に作った値札にすり変えたヤツ見せて
お金チョロまかしてんだよ。立派な倹約だろ?。
これを価格破壊と呼ばずしてなん…
「アンタと話してると、ウチラの関係が間違いだったって確信するよ。
もう付き合わない。今ここで恋人解消させてもらう!。
そうすりゃ未来も激安だよ、な、そーだろうが」
「キレイに別れられたな。初回限定ロマンスか。
海の恋人だったなオレら ( 満足笑 )」