Title : わきあがる欲望マンダラ
生涯初の7日間絶食ダイエットは終わった。
70キログラムから65キログラムがその成果…。
この数字を上々とみるか妥当とみるか。
恐らく敢行した主人公のほとんどが
ソレを不服と見なすのではあるまいか。
労多くして成果チョビ。
本人には大それたことをやってのけたという自負がある。
「えええええッ?! 、たったこれっぽちなの?!」とブーイング。
人とは何と欲深き動物なのであろう。コレが叶えば次はソレ、ソレが叶えば次はアレ。
ほんのささやかな願望のはずが、いつしか気持ちはブレ、
自身の正体が欲深だとバレ、悪ビレもせずに「もっともっと!!」と手を伸ばす。
これを “ バビブベボ ” のカルマ法則と呼ぶ。
ベレとボレはどうしたと追及されるかもしれないが、
思いつかなかったのだから仕方ない。
突如5キロ減ということは、まだ減るかもしれない、と考えるのは自然なこと。
それを7日が過ぎたからといって食事復活で台無しにして良いものだろうか?。
バカな。そんな愚かなことがどうして出来よう。
これまでの苦労の結実を、僅かたりとも
ないがしろになど出来はしないのだ。
ボクはこれまでに、オヒツに残った数粒の米に
注意を払ったことなど1度もない。ありがたみを感じなかったのだ。
それはお百姓さんが汗水垂らし手塩にかけて育てた物で、
それを買えたのは父が汗水流して働いたから。
それを炊いたのは母であって、ボクはただ食べただけ。
感謝もせず、当然の様にふんぞり返り、誰のことをも顧 (かえり) みない。
だから絶食を継続することにした。
って今までのザンゲとどういう関係があるの?、と思われるかもしれない。
んーッ。自分への罰?。それってもろ偽善。反省!…。
もう少しヤセてみようよ、ネ?。うん、ボク頑張るッ。
というだけのことであったか!。
とにかく、とりあえず、今日1日絶食して結果が見たい。
結果次第で今後どうするかを決める。
ためらわずに絶食続行を決められるのは
空腹感、それが失せたから。
空腹をほぼ感じなくなった。
昨夜就寝前に気づいたのだ。ティーンエイジャ-の無謀な無敵さ。
それはチョットしたエピーソードで拍車がかかってしまう。
空腹感の伝達が生存本能の要。命。
それを全く感じなくなったということに
戦慄しなければならなかったはずなのに。
アンポンなボクったら、嬉々としてマラソン折り返し地点を
ターンしてしまった。アンポンターン。
絶食8日目、午後11時体重測定。64キログラム。
ゆっくり体重計下りるパジャマを着た大タワケ。
その口元に、愚かな笑み。