空を見上げりゃ成りすまし / ムクドリ被害 / 電線に鳥よけ金具

Title : 東不得異苦中学校理科室の筋肉模型に擬態していた筋肉マン

 

 

 

成りすまし。擬態。見せかけ。詐欺。

詐欺だった、と後に追及されない巧妙な物言い。

世の中が、総合評価でまあまあ安泰、

と言われているうちは

詐欺師達も

お人好し達に許してもらえ

まんまと逃げおおせたりもする。

 

 

 

Title : この頃、ボクの弟はまだ脳天気だった

 

 

 

短期間に何もかもが一変した。社会構造も、人間関係も、

生活設計も人生設計も、ありとあらゆるものが大きく変わった。

いい方に?、悪い方に?。

人それぞれ。ケース・バイ・ケース。と人は云う。

 

 

 

Title : 無題

 

 

 

数日前、ムクドリと思われる鳥の群れが電線に留まり、

かしましく鳴いていた、という記事を投稿した。写真下。

 

 

Title : 外来種ラインナップ

 

 

今日偶然、見上げた空の電線に、又もムクドリのラインナップを発見!

とスマホかざし撮影してみると、

 

 

Title : これが噂の鳥よけ!

 

 

どう見ても鳥ではない…。もしかして落下する糞を回避するための

ムクドリ撃退の鳥よけ?。

早速ググッてみると、やっぱし!

 

 

 

Title : 鳥よけ金具!

 

 

にしても、面白い形をした金具ですねぇ~。

ひょっとして、特定の鳥ではなく

電線で群れる色々なタイプの鳥の特徴を

ミックスしたものかも…。

サイトには糞被害回避のためとありましたが、果たして効果は!。

つい先日、チャリ走行中、デコピンに

鳥糞ビチャッ!と浴びた私としては大いに気になるところ。

コロナ禍なので、除菌ウェットティッシュを持参していて

助かりましたよ。

 

何にせよ、今の世の中、良い見せかけと悪い見せかけ、多すぎ。

海底で藻を自分の頭にせっせと付けて

アフロみたいにしてる蟹は

生きる為の涙ぐましい偽装工作。

 

金品財産を人からむしり取る為の偽装工作が

百鬼夜行。日増しにそれはピアニシモ。

筋肉マンならずとも

怒りで血が沸騰しますです。

 

 

うるおいのない季節の到来 / 乾燥肌のお手入れ / うるおいはヌルヌルで決まりだ!

Title : 同盟を組まねばならぬほど乾燥肌の季節!

 

 

 

昨日は気持ちのいい秋晴れ。

チャリで少し足を伸ばし,

ちょっと遠くまで走ってきました。

 

“お肌が乾燥しやすい季節になってきたな~ ” と思っていたところへ

この看板!。

“ 何だべ、この店 ”

と、恐る恐る見上げた視線を下に落とすも

グルリと1階に店舗らしき構えはなし!。

 

乾燥肌って……サウナ?。

 

などと、解(ゲ)せない面持ちで通過ッ。帰宅してググッてみたところ、

 

『 乾燥肌同盟 』とは美食処

 

との掲載を発見!。何だと、旨いもん食わせチくれるのかッ!。

 

乾燥肌旨い物といえば、まず間違いなく干物!!。

 

ボクちゃん、アジの干物ったら大好き!!。

アーアー、何でお店を発見出来なかったんだよぅーッ!。

だが、待て待て、もしやして、乾燥肌ってドライフルーツのタグイかも。

干しブドウにクリームを添えた物や、

アイスクリームに干しアンズを乗せた物なんかをお茶でいただくのかも!。

 

さらにFakebookを発見しジロジロ眺めてみると次なる文字が!

 

閉店・準備中

 

ガーン!ガーン!ガーン!。黒い美容液や冬生石鹸も売ってたのにかいッ!

 

ガッカリ。

 

気を取り直し、翌日も定例の夕方90分のチャリ散歩。

 

岸田新総裁の内閣ってサー、何だかんだ言ったって、しょせん

 

ドヘタ・キャッチフレーズ内閣

 

だよねぇ…。と、ボクちゃんは早々にマイ・レッテル貼りました。

 

彼が片手で掲げていた手帳、

何年も前からアイデアを書き溜めていたものが

詰まっているっつー話でしたが、

思い付きのオヤジ・キャッチフレーズ、爆笑金言の数々を書き留めたものではなかったのかい?。

 

未来選択選挙?。

未来って自分達で選べるんだっけ?。

 

どんな未来にしたいか、は願望。

実際の未来は人間に予測さえつかないもの。

 

何で、特定の政党や特定の議員を選んで投票することが

イコール、未来を選んだこと、になるわけ?。

 

気候変動は人間のせい。

それさえ、半分だけしか認めないような岸田氏。

彼を選べば、気候変動にストップがかかるわけ?。

イジメにストップが、かかるわけ?。

 

再調査はしない。疑惑を残したままな再調査なしの理由を

「キチンと説明する」って

総理大臣て司法を代表してるんでしたっけ?。

 

 

Title : やってきた雲

 

 

見上げれば、風邪に肩を押されて

大挙押し寄せてくる雲の一群。

ゆっくり移動、やがて消滅。

写真の右下の黒いヤツ、これってよくよく見ると旅客機ですネ。

あまりにスケールのある秋空に、チンケなゴミのような旅客機。

この旅客機を秋の大空に信任してもらえるかどうか、だって?。

 

国民が信任しないと、コロナ対策充分にはやりませんって

スネるのかな?。

最重要問題は、拉致問題、コロナ対策、ってサー。

問題に取り組んで、ベストを尽くした結果、それを国民が見た時、

始めて信任出来るかどうか、

を決める根拠を持つことが出来るハズなんだけど。

エビデンスもなしに

白か黒か答えを出せ?。

それが、新しく生まれ変わった自民党?。

 

 

 

Title : 信任無しの集団ラインナップ

 

 

1時間過ぎて日が陰り始めた頃、

けたたましい鳥たちの耳障りなギャーギャー音!。

思わず見上げると、正体不明な鳥たちのラインナップ。

一羽、翼を拡げてるヤツのシルエットからしても

ハトでなし、思い当たる鳥種なし。

灰色のコヤツは?。とサイト画像検索すると、

もしかしてムクドリ?。

 

外来種は、国内種の信任なんて到底得られないでしょうね~。

日本ザリガニは、アメリカザリガニに駆逐されちゃいましたし

石亀もワニガメに食われまくってるじゃ、あーりませんか。

誰かが止めないと、ルール崩壊の暴走は止まりません。

 

選挙なくして分配なし

選挙失くしてバラ撒きなし

 

などとブツブツ言いながら、唐突に、お腹空いたな……と。

初入店のスーパーに手招きされた気がして入店すると、

 

 

 

Title : 鹿児島産うなぎ蒲焼 ¥1090

 

 

 

ヒェェェェーッ!。何だ、この安さ!。土用丑の日でもないのに、

あり得ないこの値段!。一尾丸ごと立派なサイズ!。

早速、夕飯はウナ丼!!。

 

 

やはり、ボクちゃんは乾燥肌よりヌルヌル肌が好き。

 

 

 

 

 

 

 

 

ネコならエッセイ 1 / ネコ寄席 / 猫なで声の一席

Title : 招福亭あじすけ

 

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

「よく人間様達が “ 猫なで声 ” なんてぇことを申しますがァッ?。……エエ?、あれはどうゆうことなんでございましょーかねッ?。

相手に媚(こび)を売って甘えたりなんぞしましてね、そんでもってコッチのお願いを聞いてもらおーてな時に出す声のことをいうらしーんですな。はて、

手前どもネコから言わせてもらうてーと、チョットばかしおかしいんじゃぁねぇのかなと。…コッチは人様に撫でられてる時は無言なんで。気持ちよか~、なんてぇ目ぇつぶっておりやすでしょ?。声なんざ上げませんやね、ポルノ猫なんてぇものは存在しちゃおりやせんもんで、へっへへへ。するてぇと、

猫なで声たぁー、ネコが人様を撫でながら出す声なんでやんすかね?。そんな猫おりやすかね。犬なら分かりますがね。ひたすら奴らはコビるでやんしょぉ?。そういや、飼い主のヒザなんぞに両足乗っけて、

「くぉぉ~ん~」

だとか甘え声とか出してるじゃぁねーですかい。ありゃぁ、猫なで声たぁ言わねえのは何なんでしょーね?。ええ?。人様が猫なで声出すんなら犬だって出しても構わねぇーでしょ?、それが常識ってもんだ。しかしですよ、

ハナから犬なで声てぇ言葉が有っても良かったんじゃぁ、ねーですかい。早い話、人間が考える言葉なんてーものはいい加減なんですな。

猫かぶり、なんてぇ言葉もそーなんですな。カマトトぶってる、みたいな意味なんスが、詐欺師がネコの被り物してるイメージでいいんスかね?。あの~、原宿なんぞに売ってるネコのぬいぐるみをムリムリ帽子にしたよーなヤツ。

犬かぶり、じゃどーしてダメなんでやんすか?。犬のもレッサーパンダのもあるんですよ帽子に。…ええ?。

そもそも、招き猫なんてぇのもオカシイ。招くんだったらシオマネキのほうが大げさに招いてますよ。カニのね、シオマネキ。沖に向かってカモーン、カモーンてやってるでしょ?。よっぽどオーバーアクションじゃぁねぇのかなと…。

何です?、そこのお客さん、ずいぶんと怖い顔なすって。何か気に入らねぇことアッシが言いました?」

「言いましたかだと?。何ノーテンキなこと抜かしゃーがる、この耐えがたいオオボラ吹きの悪魔が来りて笛を吹く野郎がッ。くだらねーことばっか言ってるとカンベンならねぇぞ、こちとら猫は潮なんぞじゃなく福を招いてんだ福を。ア?、カニと一緒くたにタコ部屋に叩き込まれてたまるかって話なんだよ!!」

「お客さん、あそこの、ホラ、この先の布団屋さんの二階。あすこのタコ部屋、フトン一杯で温かくて寝心地最高なんスよ。行った事あるんでやんしょ?」

「ある」

ネコならエッセイ2 / パチンコ丸シロー / 寝たネコを起こすな

Title : 話題となった先週の事件

 

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

「こないだのデビルキッドさん、凄かったわね。あのあと救急車でERに搬送されちゃったんですって」と眉ひそめる永岡さんちの飼い猫メウク(メス、4才)。

「コワイわよねぇぇぇ…。ポケモンがポケットモンキーとはいえ、猿とは程遠い容姿をしているように、軽率な行動は笑い者になっちゃうってことッショ?。ねぇ、ことッショ?」と不必要なまでに声を潜める短岡(みじかおか)さんちの飼い猫ウエハアス(メス、5才)。

「今の季節は朝晩の寒暖差が激しいからね、物がね、腐りやすいんだって、ウチの奥さんが言ってた」と潜めた眉をさらにひそめ、眉が細めになるメウク。

「つまりサー、サムライが必ずしも英雄ではないし、野茂英雄はノモヒデオであって、ノモエイユウでもあったってことじゃないのかショ?、あの偉業だと。そうッショ?。うん?、そうッショ?」

「あら、そうなの?。ウチの奥さんね、昨日ね、買ってきたヌカにね、塩と間違えて砂糖入れちゃってね、新しいヌカ床ができたって大喜びしてたんだけどね、今日ね、味見して仰天してるの。ヌカ喜びって怖いわね(しみじみ)しみじみ」

「そうなんだ~。ルパン三世の峰不二子が二つはない子って書くんだったら、それ、双子じゃない子って意味っショ?。じゃ、大抵の人は不二子ってこと?。でショ?」

「ごめんね、そのアニメ知らないの」

「何でルパン三世がアニメだって知ってるの?。変ッショ?」

「ああ。名前だけは知ってるから」

「じゃ知ってるんだよ、それは。でショ?。月見大福、月見うどん、てフツーにあるけど、だからといって太陽大福、太陽見うどんは絶対あってはならないんだって掟、あれと同じと言えるッショ?。ど?。言えるッショ?」

「うううん…。ウエちゃんは頭いいからね~。私にはむずかしいな~。エビ天あるけどカニ天ない、イカ天あるけどタコ天ない。そんな法則でいいの?」

「ま、そうね。相棒ってドラマあるけど、用心棒の棒と同じ意味ッショ?。二つの棒で立ち向かうと、ひとつの時より強いから相棒は大事。でもでも、だったら杖でもいいんと違うかなッショ?。ヤッショーマカショー?。杖だって振り回せば棒と同じ威力あるッショ?。へ?。あるッショ?」

「犬も歩けば杖に当たるってこと?。何か……杖なら犬は充分によけられる気がするアタシ…。おかしいのかな」

突然、二匹のメスネコの頭上、木塀上からイラッとした声。

「おかしいんだよ!!、アア?!、おかしいに決まっとるだろ!!。オスが塀の上で秋の惰眠(だみん)をむさぼってる下でワザワザ井戸端会議やる、……ナメてんのか!!。栗の実煮てます井戸端なんて歌う奴があるのか!!。ア?!、帰れ帰れ!!、このッ、いまいましい、…どうしようもなく救いがたい乳児定番食事メニュー名称野郎どもがッ!!」

シローは激怒して立ち上がった瞬間、前足が滑って塀の反対側に落ちた。

 

「静かになったわね」

「バツが悪くて逃げたんショ?。パチンコだけにハジかれたんショ?」

ドッと笑う二匹のメスの笑い声を塀越しに聞き耳、怒りに全身震わすシロー。

 

 

ネコならエッセイ3 / パチンコ丸シロー / 栄光へのジャンプ

Title : 猫エンマ大王いわく「シロー、見事だ」

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

秋晴れの午後四時、飼い猫のパチンコ丸シローは日課である近所の縄張りパトロオルに出かけた。二階角部屋の窓から正面の塀(へい)ぎわの柿木の右半分、地上から約2メートルに位置する、上から数えて第3番目の枝に跳び移り、それから塀へ移動して自宅前の土道へと着地する。

それから右方向へ約10メートルほど進んで床屋の角を右折、人家脇に置かれた三輪車3台と壁の間30㎝の空間を通過、そこで走って来たオートバイの音に身構えて一時停止。走り去るバイクの運転手後ろ姿を監視しながら、

「何だ、そば屋じゃねえか。全くイマイマしい…。ザルソバだか何だか出前に走り回りやがって、このホソボソ野郎が、全くおめでたい人生でないか」と吐き捨て数メートル先を左折、ところが正面は工事中で通過できない様子。黄色いヘルメットをかぶった男どもがワーワー言いながらドリルで道に穴を掘っている。

「ババ、バカじゃないのかお前らはッ!。いい年して遊びほうけやがって!。そんなこったから千代子に人生色々なんて笑われるんだろうが。ア?」

仕方ないので、手前の国有地看板のある原っぱフェンス下の隙間を、ノシイカのように体を平べったくしながらくぐり抜け、反対側の道路に出ることにする。

「ん?」

シローは雑草が生い茂った原っぱ隅の樹木に何故か心ひかれ近寄る。何か知らんが妙に惹かれる木だ、よおし、いいだろう、この木の枝を噛みまくって毛玉吐きの起爆剤にしよう、と思い立ち、さっそく1メートルほどジャンプして枝に乗り、小枝に噛みつく。

10分ほどかじっていたが、妙に気分がハイである。シローは目の前で鳴いているツクツクボウシを妙にニヤニヤしながら眺めていたが、そろそろパトロールに戻ろうと地面目がけジャンプ。何故か反対側の人家庭へと跳んだことに空中で

と思うが、次の瞬間には豪邸庭のプールに落下。スローモーションで暴れる。泳げない。訳が分からない。

シローがかじった小枝はマタタビだった。マタタビはネコにとってはお酒、は嘘。マタタビはネコ科の動物に軽度の神経マヒを起こさせる作用がある。

「たたた助けチくりいいいいーッ!!」

視界に入った母娘に向かい、溺れながらも叫びまくる小太りネコ。

「ママ、ネコが溺れてるーッ!。ユーチューブにアップするからカメラ取って来る!ママ助けちゃダメだよッ」女子中学生は慌てふためき家の中へ。

母親はドギモを抜かれた。溺れながら、ネコが水槽掃除の間プールに放っている1尾8000円もする金魚を片っ端から食べているではないか!。現時点、被害総額は約25000円といったところか!!。

「大変!!、パパのかけがえのない金魚たちがッ!!」

母親はプールに飛び込み、口の端(はし)から金魚のシッポを垂らして気絶寸前のネコを小脇に抱えプールサイドに上がった。

「何てことしてくれるのよバカネコ!!。飲み込んだ金魚、吐き出しなさいよ!!」

「何だとナメてんのか、この…イマイマしい……あぶ…あぶく銭野郎がああ…」

シロー気絶。栄光の勝ち逃げだった。

 

ネコペディア

またたび 再び科の樹木。別名再会の樹。花言葉はジカタビ。ネコの好物。またたびとネコとの関係を記した江戸時代の文献、いわゆる “ またたびもの ” は庶民に絶大な人気を誇った。

ネコならエッセイ4 / パチンコ丸シロー / 赤い金魚の疑惑

Title : バットマン竹内

 

ボクらにいやされる人間。ボクらは誰にいやされるのかな?

バットマン竹内

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

「アンタ、こないだの猫ドックで血圧高いって出てたからな、金目 (鯛) の煮込み汁、辛さはいつもの半分の味付けにしといたよ。薄味になっとるけど、そん代わりな、汁はいつもの二倍にしといたから、それでガマンしてなぁ」

「ありがとう勝美ちゃん(バットマン竹内の飼い主、飛虫原勝美。とびむしばらかつみ、52才。コンビニ、セブンカナブン勤務)。やさし~」

そう言うと、竹内は完全に飲み干した魚煮汁の皿を未練がましく8回舐めた。

 

縁側における二人の会話を背中で聞いていたパチンコ丸シローの背中が猫背になったかと思うと、次の瞬間、シローの濡れた右肉球には4cmほどの赤い金魚が握り締められていた。

勝美に歩み寄り、彼女の膝頭前、金魚を縁側の白っぽい縁側板にボーリングポーズで転がしてみせるシロー。

「ちょちょ、ちょとぉー!何すんのよアンタァー!ヒトんちの庭の池の金魚捕まえて見せるってのーッ!それで誉めてもらおーなんて何考えてんのよー!!」

「オバハン…。その金魚よおく見てみるがいい」

「あん?」

猫背になり金魚を覗き込む勝美。

「うっすらと金魚の周りがゼリーっぽいのに包まれとるだろうが。ア?。とっくに死んで水カビがついとるゆうことが分からんのか、このいまいましいアホンダラがッ。水カビの繁殖を未然に防いだネコに濡れぎぬをきせるのか、この、この…(怒りのあまり言葉が空回り)……」

「勝美ちゃんだよ、ボクの飼い主のお名前。勝美ちゃんなんだよシローちゃん。忘れちゃった?」とあどけなく微笑むバットマン竹内(シロネコ2才、オス)。

「かッ、勝美野郎がッ!」竹内につられ話をしめくくったが、シローは自身のマヌケさが今、とても際立っている様に思えてならなかった。

ネコならエッセイ5/ パチンコ丸シロー / 不景気でグレードダウン

Title : シロー

 

 

「あぁら、お帰んなさい野武子(のぶこ)さん。頼んどいたシローの猫缶、買ってきてくれたんかね」

「買ってきましたよオバアチャン。だけど、今回はプレミアム猫缶じゃなくて1ダース、並にしました。オバアチャンからシローにそう言っといてください」

「えええええええ~ッ!。やぁだよそんなこと言えっこないじゃないかね~。どしてプレミアムじゃないのよぉぉ~」

「今は不景気なんですから、シローだけVIP待遇なんて冗談じゃありませんよぉ~。私だって土日のお休み返上して、休日を月火を振替にしてまでパート働いてるんですから~」

 

ちょうどその頃、薄曇りの空を眺めつつ、パチンコ丸シローはカワラ屋根に居た。しきりに立てた両耳をレーダーのように旋回させていたが、それにも飽きてきた。

昼のTVで「いやぁ~、そろそろ秋の声が聞こえるんじゃないでしょうか」と言っていたのを小耳にはさみ、ふと自分も秋の声とやらが聞いてみたくなり此処まで上って来たのだった。

夕方、自宅に戻って来たシローは二階角部屋の自室に直行、ダンボール箱に敷き詰められた砂金の上で用を足すと居間へと降りてゆく。

TVニュースを見ながらオバアチャンが、

「この…、あおり運転ての?。何でなくなんないのか分かる気がするねぇアタシャ。悪い事すると子供がマネするからやめましょーってサ、よく皆が言うじゃないのー。子供は運転免許とれないからマネできないもんねぇ~、だから安心して堂々とやってんだ、きっと」

「バアチャンただいまー。オレの猫缶は?」

「アー、シロー。アンタのマミーが買って来たよ。駅ビルの地下の、輸入食料品店、アンタ知ってんでしょ。あそこで安売りしてたから」

「安売りだと?キサマ…。どこまでいい子ぶれば気が済むのかと言いたい。…どこに……アア、テーブルの上か。全くクソナマイキな」

シローはピョコリとジャンプ着地し、見慣れない缶詰を手に取った。

「英語だから読めん。マミー、読んでくれんか」

「えー。アタシだって読めないよゥ。貸してごらん、ええなになに…。大きな字んとこしか読めないけど…んー……ノン・プレミアム……ノン・カロリー、え?………ノン・デリシャス………」

「何だ?小さい声でボソボソ呟きやがって、この、どうしようもない、いまいましい通訳野郎がッ、アッ!どこ行く気だ、逃げようってのか!!」

「ちょっと、アタシ、お店戻って買い替えてくるわ」

ネコならエッセイ6 / パチンコ丸シロー / 愛称で呼んで

Title : ネコが見る世界

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

「“ いつも心に太陽を ” なんて昔はよく言ったもんだけどサー」と、玉突家のオバアチャンであるところのダイナマイト・オミヤ(本名)。

 

「はっはっは!。それが今では “ いつもバッグにスマホを ” ですからねー。時代は変わりましたよねー、ダイナマイト・オミヤさん」

と、渡る世間は鬼ばかりだと思っていたのに、最近家族で渓谷遊びに行き、途中、山道を横切る沢蟹(サワガニ)の大群に遭遇して以来、渡る世間はカニばかり、と人生観を180度転換してしまったご近所の主婦万田千恵(41才)。

 

「何ですか万田さんたら水臭い(笑)。ダイナマイトなんて堅苦しい。親しみを込めてマイト・オミヤと呼んでくださいな(笑)」

「あら!。いいんですか、そんな(笑)。でもホントそーですね。フライドチキンだってライド・チキンて呼ぶ方が、揚げたてのチキンがバイクにまたがってるイメージがありますし、タピオカだってカピパラって呼ぶ方が、なんだか温泉気分になりますもんね(爆)」

「あなたの言ってること、アタシ、年なんでついていてけないワー。シロー、アンタ分かるぅ~?」

オミヤの声を無視し、彼女の足元で毛づくろいをしているシローの右手首を顔からグイッと引き離すオミヤ。

「何しやがる!!、このクソいまいましいオハギ3つも頬張る食い意地張った爆発娘は今いずこ野郎がッ!。毛づくろいの邪魔すると承知しねぇぞ!」

「まあまあ、マイト・オミヤさん。たかがネコなんですから(笑)」とオミヤを制す千恵。

「何だ?。キサマ今なんて言った!。たかがネコだと?、だったら、アシナガバチを足長オジサンて呼ぶのか?。ハ?!。そんなこと言ったら足長オバサンはどこって話になったら…………どうなるんだろうか…」真夏の夕立直前のように、みるみるシローの表情に陰りが出始める。

急に無口になったシローを見下ろしてオミヤ、超上から目線で

「ア、考えてるわ、今。フフフフ…足長オバサンは今どこなのかってね……」

 

 

ネコならエッセイ7/ パチンコ丸シロー / キッチンの勝者は誰

Title : 名月メロンパン(メロンパン上はシローの先輩、オセロ乃介)

 

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

「人間の身体で、響くと言われるのはどこだろうか」とキッチン食器棚の上からキッチンテーブルで栗の皮をむくマミー、すなわち野武子に声がけする飼い猫パチンコ丸シロー。

 

「ええ~?。そ~ね~………。心に響く耳に響く……そんくらいかな~。口に響くの歯医者さんの器具だしな~。あ、違うか、歯に響くのか…。こないだ抜いた親知らず痛かったなァ~。…でも、何でそんなこと聞くの?」

「大家さん知らないって、こないだ挨拶してコビ売ってたじゃないんか嘘つくな嘘。…ッたく、救いようのない牛丼汁多めが……。ところで続きだが、鼻とかには響かんのだろうか」

「響くんだろ~けどね~。鼻の穴もカテゴリ的には洞窟と言えない?。洞窟の中って音は響くでしょ?」

「何だとキサマッ。鼻の穴の中にコウモリがいるとでもいうのかッ。……それはそうと、人間の身体で打つのはどこなんだろうか」

「そね。やっぱ、心を打つ、…う~ん…ギリで耳を打つもアリかな~……何でそんなこと聞くの」

「目とか鼻は打たんのか」

「まぁねぇ~。打つと痛いから(笑)…何で?」

「ほしたら、染みる(しみる)のはどの部分か」

「何ヨこの質問。……心に染みるだし~、目に染みるだしぃ~、これもギリで鼻に染みる……かなぁ~。あ、こないだ鼻血染みた」

刺さるんはどこか」

心に刺さる、……。う~ん、そんくらいじゃないの?。何で?」

「何でだとキサマ。そんぐらい察してみちゃどうだろうかね、とぼけ切ったシブカワぼけの犬専用裏切りトリマー主婦がッ!。どのツラ下げて何で?なんて聞けんだよアホくさいッ!。いい加減にしろよ!!」

「何言ってるの?。どうしたの?。便秘?。ねぇ。便秘?」

「はッ、恥ずかしい事を何度も言うんじゃないッ、このどうしようもない連呼野郎が、何考えてんだよクソッ!。分からんのか、

響く打つ染みる刺さる、全部に当てはまっとるのは人間のだけゆうこったろうがね?。鼻は無視か?、口はどげぇなっとるか、アア?。だとしたらば、飼い猫は心ばかりか、鼻、口にさえも徹底的に響き、染み、刺さり、ほんでもって打つのはプレミアム猫缶だけだと違うのか。ア?それを何だキサマ…」

野武子は栗の皮を包丁でむく手を止め、かつてシローが見たこともない慈愛に満ちた眼差しで棚の上のネコを見上げると、

「うううん、違わない。並の缶詰を食べるのよアンタ。これを聞いて耳に響いた?。耳を打った?。耳に染みた?。ふっふふふ、もう解答は見えたようね。耳が痛い。これでしょ~?。また、何だとキサマって言うのかな?」

「何だとキサマとは何だキサマ…この…このどうしようもな…」

「アジ食べる?」

「アジ ?!。アジと言うたのか今ッ!!」

「さっき神田岡さんちの御主人が釣ったの、おすそ分けでもらったのよ。冷蔵庫に入ってるけど、暴言の反省しないと冷蔵庫開けてあげないよ~。どう?、反省した?」

「はい」

「ホントかなぁ~。激しく反省した?」

「はい」

「自分がどうしようもないイカレポンチのパカチンネコだって前々から気づいてた?」

「はい」

「反省する?」

「はい」

「アタシって美人かなー」

「はい」

 

「すごいのねぇぇぇ…アジの力って」

 

ネコならエッセイ8 / パチンコ丸シロー / 家庭内リンクとは

Title : 秋の日のキビキビとした右折

 

 

Title : パチンコ丸シロー

 

 

 

「マミー。さっきから黙りこくって何を読んどるのか、このいまいましいアンポンタンのキリタンポが」

昼食をポテチで済ませ、キッチンテーブルで昼下がりの読書にふける野武子に向かって、冷蔵庫左脇に置かれたヌカ漬けバケツ上に座した飼い猫パチンコ丸シローが眼を閉じたまま眠たげでありながらも鋭い口調で言葉を投げつけてきた。

「ええぇ?……恋愛小説よ」

「それは何なのか。…………………………読んでみんか、ちょっと」

「ええぇぇ~?。面倒臭いなァ~。ネコには関係ないでしょうが~」

「チッ(舌打ち)。飼い猫が読めと言ったらグダグダ言わずに読まんと!。そんな飼い主に育てた覚えはないのだから。早く早く早くッ」

 

◆以下、野武子が読み上げた小説内の会話

「一体、オレ達……いつからこんなに心が遠く離れちゃったんだろう…」

「アア!それは分かってるわよ、チョット待ってね日記出すから、アア、これこれ、ええとドコだっけな、ドコだっけー、アー!これこれ、ここに書いてあった!。ええとね、2018年9月3日!。この日からワタシ達の心が遠く離れ始めてんネ」

「………」

「何。何で黙ってんの」

「そんなこと、数字で分かるものだと本気で思ってんのか。心って簡単に割り切れるもんじゃないだろ」

「そーそー、2018+9+3で5だからキッチリ割り切れないネー、確かに確かに、アナタ計算早いのね、一瞬じゃん、スゴ!」

 

「とまぁ、こんな感じ。分かった?」とシローを振り返る野武子。

「日記というのはパピーがいつも読んでるオマエのノートのことなのか」

「えっ」

「タンスの裏側に隠してる赤い表紙のノートのこととは違うのか」

「えええええええ?!。何ソレ、何でアンタがそんなこと知ってんのよッ?!。パピーがそれ読んでるって、アンタ見たのッ?」

「何だとキサマ。そんなとこオレが偶然見るとか、本気で考えてんのか、この救いようのないヤラセ・ディレクター野郎がッ!。バアチャンに聞いたのだバアチャンに」

「じゃあ、オバアチャンも日記のこと知ってるってこと?!、やだ、どうしよう!」

「何を言うキサマッ。ピミー(野武子の息子)が最初、タンスの裏に転がったピーナツ取ろうとしてパピーがタンスずらして見つけただけのことだろうがタワケ!。ところで日記に目次付けてもらえんだろうかね、繰り返し読みの時、探しにくいけんね」