ピンが石によって破損しないよう
布に包む石は軽石が良いとされる。
軽石なだけに飛距離が得られず
ピンまで届かない者が続出するが、
それが醍醐味だ。
大昔、実際に貝が貨幣として流通していたが、
それは中身のない貝殻。
投資に使用される貝は、生きていることが絶対条件。
投資活動とは活きのよい動きをする貝を投げるということ。
ネコは唯我独尊、気ままで自由。だけど自分1人じゃ乗り越えられないことも…。どうしよう。どうしたらいい?…。見てよ、あの立ちつくす後ろ姿!。だけどアレって、もしかしたらボク?…。それとも、キミ?。
Title 確かに、食べるよりは頭に乗せた方が脳がスッキリして良いのだと思う
信じられないような状況にすっかり塗り替えられてしまった日本の夏。有り得ない、有り得ないと皆口々に喘ぐが、十二分に有り得ていることを皆知っている。当然のこと、この酷暑に参っているのは人間ばかりではない。
このネコは、昨日の酷暑35度真昼間に近所で出くわした者。縄張り偵察中の様子だったが、ちょうど捨てたてのソフトクリームを運よく発見したようだった。
拾得物なので注意深くあたりを伺っているが、私は先読みで人家壁に身を隠していたので発見されることはなかった。食べて涼をとるのかと思いきや…。
◆ これはフィクションです。念のため。
Title : グルグル茶柱MAN
「何故だ。オレが何をした。
お茶屋を営んでいるという、ただそれだけで
何でこんな辱めを受けなければならんのだッ」
「ダンナさん、アチシ今日からバイトなんで
よく分かんないんスけどドユウことですか。
何か…誰かに悪口…言われました?」
「直接言われたわけじゃない。だが聞かなくたって分かるッ、
オレだってマヌケなトウヘンボクって訳じゃないんだからな」
「聞かなくても分かるなんて凄い。
『 不思議人間大集合!』に出ますか!。
今TVでやってんすよ。アチシ大好き!」
「 バカバカしいことを 、
“ 茶番 ”
と小バカにして言うじゃないか。オレはその茶番を毎日してるんだ、
女房が交代してくれる時もあるにはあるが…。
“ 茶化す ”
なんて言葉もあるぞ。
一体誰が吹聴して回ってんだよ、ふざけやがって…」
「怒ってる顔、可愛いっすね。
ウォンバット ( オーストラリア生息のケモノ ) に似てますよ!。
アチシ、ウォンバット大好きなんです!。分かりますか ( 笑 ) 」
「そうやって
茶々
を入れるのか、お前も 」
「あ、お茶入れますか?。丁度アチシも飲みたいと思ってたんスよ」
「ドリフターズとかいうのに
加藤茶
とかいうのが居ただろう。あれもコメディアンだ。
茶を笑いものにして芸名付けたって訳か」
「そういや、チャラいとか言いますよね~。あれも茶だったんスね」
「緑茶
が緑色の茶だと言うなら、
法事茶、麦茶は
茶茶
だろう。その茶々を笑いものにしてる奴らが
何でそれらを飲む?。そういうのを
喉元過ぎれば何とやらって言うんだ、
くそう、ばかにしやがって…」
「外人さんは茶々入れるの、やっぱ
ティーティー入れる
って言うんですかね推定。ティーバックはお茶とどんな関係が…
「ティーバックじゃないよ、ティーパックなんだよ、
関係があるのはティーパックだけなんだよ。大体、
お茶する?
とか言ってる奴らは大抵コーヒーのこと言ってるんだ。
日本人なのにどうしてコーシーを
黒茶
って言わないんだろう。ティーはちゃんと
紅茶
って言ってるのにだ。それこそ茶番だろ、
アナタ今夜は遅かったのね、何か食べる?、
そうだな茶漬けでいいや、
だと!。何だ!、でいいや、って!。
とことん小ばかにしやがって」
「ダンナさん、お茶。いい香りがしてっスよ。飲みましょうよ」
「アッ!茶柱が立ってるぞ ( 笑 ) 」
「え?、茶柱って何ですか」
「茶柱も知らないのか!。驚きだ!。コレだよコレ!」
「え~?。その棒みたいな柱…緑色で、
茶色くは…ないっすけど…」
Title : 「今日は涼しかったから思い切ってパーマかけに美容院です。毛髪2本しかないけど」
焼肉のハラミで有名な焼肉専門店
『焼飯 / やきはん』の創業者である
平平傾 ( ひらだいらとおる ) が昨夜未明、
透明インターチェンジ手前で
大型タンクロールと接触事故
を起こしていたことが明らかとなった。
同氏は、昨夜11時ごろ赤坂の焼飯乃木坂店で飲食中、
うっかりアクセルと焼肉のハラミを踏み間違え、
列島上空を旋回していた台風に絶叫が直撃、その結果、
今日8日はその影響下、
日本列島は気温が著しく低下してしまったという。
タンクロールを制作した青山スイーツのシェフ亀井さやかさん
は次のように語る。
「大型タンクロールは、集客力を高めるべく
私が考案したリキュール系のクリームロールです。
前方を見ずに食べ歩きしていた私も、不注意だったなって思ってます。
平平さんの袖口に生クリームをべったりつけてしまって
反省しきりですよ」
ハラミの代わりにカルビを踏む予定の来週から、
再び猛暑が予想されると平平氏。
当分眠れぬ夜が続きそうだ。
Title : ヒョーガ
今年の酷暑に対応すべく、既に数多くの対策グッズが百貨店等の特設会場で陳列されているが、遂に本日午前2時、雑貨小物販売のエキスパート『シムカ』(仮名)の地下物置奥ボイラー室裏にて、酷暑対策の決定版ともいえる室温氷河期変換再現ボット・ヒョーガ2018が販売開始となった。
シムカはこのボット製品に一切広告をかけておらず、何故この製品の販売日を消費者が知ったのか首を傾げている。「本当に思い当たらないんですよ。当社は可能な限りヒョーガの販売を極秘に水面下で行ったわけで、考えられるのは社員によるリークということになりますが、ウチは父である社長と母である副社長、そして専務である私の3名だけなわけですから、それはありません」
こちらが、ヒョーガを組み立てた工場側からのリークではないかと質問してみたが、「ヒョーガは自分で自分を組み立てるロボット。工場では制作しておりません」と明快な返答が返ってきた。
「今回のヒョーガ250台の配布、その中の1台が自らリークしたとは考えられませんか。ヒョーガの自意識についてはどの様な仕様になっているのでしょうか」
「非常に自我は強いと思います。1台などは自分を組み立てている最中、電話で全身のアルミニウムをチタンに変えたいと何処かに問合せをしていましたから。私が何気なく今の電話は何処にかけていたのか尋ねると、蕎麦屋にざるそばを注文しただけだ、とこうです。とんでもないロボットを作ってしまいました」
さて、気になるのは室温低下機能だが、室温が30度を超えた時点でヒョーガがカウチ昼寝から目覚め、暑苦しさを緩和しようとボディに装着した瞬間凍結弾をエアコンや扇風機に向かって投げつけるとのこと。
「凍結弾が破裂しますと、中から凍結蒸気が流れ始めます。破裂させた時点で室温30度は一気に氷点下3度にまで下がります。夏用の軽装をして室内に留まる事は大変危険ですので、弾破裂の瞬間を見計らって全室の窓を開け放ち、いったん外に出て下さい。約5分で室温は27度にまで回復しているはずです。この気温は約3年間持続しますので省エネという観点からもエアコンや扇風機より30~72パーセント電気代お得です」
「凍結弾だけ購入し自分で投げればロボットは必要ない気もしますが」
「人間が素手で凍結弾を握ると皮膚が壊死してしまいます。軍手でも着用していれば話は別ですが、軍手を入手すると言うのは今の時代かなり無理が有ると思いますよ。それにカラになった凍結弾は見た目もオシャレですので、庭先の鉢植え代わりに使用すれば近所で評判になること請け合いです」
聴けば聞く程信じられない夢のロボットだが、エネルギー源は?。
「サラダオイルかコーン油200ccが月々の目安。ロボットがねだる時に与えて下さい。ラッパ飲みは出来ませんのでので専用ストローが必須となります」
◆氷河期変換再現ボット ヒョーガ
価格 2,430,000,000〈本体外装価格のみ。税抜き〉
内部システム全機材は別途2380円。23区のみヒョーガ本体が徒歩で訪問に向かいます。自宅の所在地は、購入時あらかじめインスタントカメラで撮影したものをロボットにお渡しください。また、ヒョーガの視力は人間の0.1程度ですので専用近眼用メガネVS66を着用をお薦め致します。VS66はダンボールと牛乳瓶の底部分などで比較的簡単に制作できますので、購入時に必ず制作したものをご持参下さい。設計図は当社裏手左階段設置壁面のボードをご覧ください」
全長3メートル 重さ2トン〈注:ロボットが天井につかえる様でしたら手話で屈むよう教え込んでください。毎日指導すれば半月ほどでITが記憶し自分でかがむようになります。要は根気です〉
Title : ドムゲリ・日照り焼きバーガー店内ポスター
今、SNSでみじんも話題になっていないドムゲリ・バーガーが大変な人気を博していることをご存じない人ばかりなはず。昨今はプライスアップしない代わりポテトチップスなどスナック菓子の袋サイズはそのまま、中身を減らすパターンがすっかり定着したが、ドムゲリではこの消費者心理を巧妙に突き、半分ちぎりバーガーを売り出したところ大ヒット、これまで月10~20個の売り上げだったバーガーが約5~8%売り上げを伸ばしたという。
「オーダー品をカウンターで手渡す際、うちの店員がバーガーをその場で半分にちぎってお客様にお出しするという形ですね。お客さんのご要望が有れば、いくらでも分割ちぎり致します。8ツ切りの場合、価格も8分の1になるわけですからお財布にもやさしいスタイルではないでしょうか。これからは徐々に他のメーカーさんもこのスタイルを取り入れるようになると思いますよ」
とは社長洗井坂 さん。確かに、取材中にハトのエサにしたいから5ミリ大にちぎって欲しいと注文するオバアチャンもいたが、店員はにこやかに応じていた。残念ながら今現在ドムゲリは日本に出店していないが、今後は火星以外の惑星でも積極的に業務を拡張してゆきたいという。
◆ 注・文中に登場する人々は地球人ではありません。火星人です。取材した私は何人かという質問の返答は控えさせて頂きます。
Title : ジャンヌ・ダルク
ジャンヌダルクと共に駆け抜けたフランスに最大級の賛辞を。
◆ 追伸 / この記事投稿わずか1時間後、イタリアからフランスへ多大なる賞賛がありました。凄まじいダウンロードです!。
ドラマチックな魚のアタリ(魚がハリ掛かりした時のアクション)や胸躍る魚との攻防を楽しみたい釣り師達にはカサゴの人気はサッパリです。無理もなし。メジナであればハリ掛かりした途端、海底向かって一直線。急角度に潜ろうとしますから、勢い糸はグーッっと引っ張られ竿先が弧を描いて強く引き込まれます。ヒッジョーッにドラマチックなアタリです。スズキであればハリを飲み込むか唇にハリ掛かりした途端、流線形の銀色ボディをギラつかせ、泳ぎを一気に加速!。当然糸は引っ張られ、竿先にグググググーッっと遊泳力が加えられ、一気に人と魚の一進一退攻防がスタートします。小アジやイワシはハリ掛かりしてすぐ、いとも易々と竿片手上げ。ですが、全身をピチピチと激しく振りながら上がってきますから、魚を釣った臨場感はタップリ味わえるというもの。それに引き換え、カサゴさんは。
海底で動くエサにバクッ!。眼にも止まらぬ一瞬の早業(はやわざ)!。ビックリ仰天の大口開きで丸呑み!。エサを仕掛けではないかと警戒し、ツンツンと軽く口先で突いてみる、チョコッとだけカジッてヤな感じがしたら食べるのをやめて泳ぎ去る魚種が多い中、カサゴさんは米粒大の警戒心も用心もまるで無し!。
「アナタは何故、そんな危険な想いをしてまで山に登るのですか?」と登山家に質問。登山家いわく「そこに山があるからだ」、という有名な金言がありますが当に(まさに)ソレ。カサゴさんは目の前に来た餌に反射的に飛びつくようにインストールされているんですね。「そこにエサがあるからだ」なのです。で、バクッと口に入れたのは0・0何秒の神業ですから特にアタリが出ないのです。何の気なしに竿を上げたら釣れていた。しかも糸で巻き上げる間中、直立不動の気を付け!ポーズを崩さない(時にUの字シャチホコ不動の場合あり)。これでは魚の引きを味わいたい人には面白くも何ともありません。
カサゴさんがジッとしている海底の居場所が特定されてしまえば、カサゴさんは次々に釣られてしまうことが多くなってしまいます。その結果、あちこちにあったカサゴさんのネグラはモヌケの殻となり、その釣り座からカサゴさんの姿は完全に消滅してしまいます。何故なら、カサゴさんやメバルさんは成長が非常に遅い魚種なのです。成魚になるのに5~6年もかかります。
釣りを始めたばかりの頃、どんな小さな魚でもいいから1尾釣りたい!と、ある年のクリスマス・イヴ、誰も居ない漆黒の釣り座で寒風に打ち震えながら1人釣り糸を垂れていたことがありました。潮は長潮。長潮は満潮と干潮の差がほとんどなく、魚が最も釣れないと言われている潮回り。ボクはそんなことさえ知らないド素人でありました。横殴りの風が霧雨を乗せ始めた頃、体は芯まで冷え、悲しくて涙がこぼれ、もう帰ろうとションボリ顔でリールを巻き始めた刹那です。
重い…。すごく重い。ボクのオモチャのような小さな釣り竿だからです。凄く重く感じたのは。堤防の壁の上、上がってきたのは直立不動のカサゴさん!。まるまる太った見事な魚体!。25センチの大きさは(帰宅後測定)その時のボクにとってはマグロを釣ったに等しい大きさでした。嬉し涙をぬぐいながら口からハリを外そうとしますが、微動だに動かないカサゴさん。仰天した目で大口開けたまま、タヌキ寝入り?のカサゴさん。気絶してしまったの?」。
クリスマスの奇跡。ジーザスからの贈り物。この時の1尾がなかったら、あの夜を境に、ボクは釣りをやめてしまっていたと思います。
追伸。 やめてもらいたかった。 カサゴ。
●写真上。珍しく日没前に釣れたカサゴ19センチ。写真下の2尾、大きい方が32センチの大物。まさにド迫力の大口!。スパイク天秤25号に50センチ仕掛け、ハリス3号吹き流し。カサゴ鍼(ハリ)。餌はイワシのミンチの中にアサリむき身を内蔵。
★当ブログのエッセイ文、写真、イラストの無断掲載、転用を固く禁じます。
煮付や刺身が美味しいメバル。その名の由来、一説には “ 目が張る ” “ 見張る” から来ているのだとか。確かに。冗談ではないかと思える程の大目玉、まるで取って付けたようなビー玉アイ。さぞかし物が良く見えるだろうと推察すれば、やっぱり釣り人各位、「メバルは目がいいからねー!。仕掛けミエミエで明るいうちは釣れないよーん!」との声しきり、よーんよーんとコダマする。
ボクとすればやや異議アリ。薄曇りなら真夏の午後4時でも結構釣れました。夜行性が強く、昼より日没から夜の方が良く釣れる、との記述も多いです。それが間違っているとは全く思いません。記述した方々の釣り座メバルがそうなんだと思うのです。去年、初夏2週間に6回釣行、18センチ前後のメバルを8尾ゲット。うち7尾は夕方4時~4時半の収獲、日没後7時代は1尾のみ。やはり、各釣り座でメバルの習慣が違うのだと思います。メバルに限ったことではありませんが…。
ある日の黄昏時、ボクがブッコミ(仕掛けをオモリで海底に沈める釣法)で20センチ超えのウミタナゴをバンバン上げていると、高価なスーツをお召しの貫禄十分な初老男性が音もなくボクの背後に。ズイッとバケツの中を覗き込む。中には9尾のウミタナゴ。顔が合ったボクに「これはウミタナゴというんだよ」と諭す様におっしゃる。「そうですね」。
即座に10尾目のウミタナゴが上がる。鍼(ハリ)を魚の口から外していると、足元の仕掛けをシゲシゲとご覧になった紳士、「ウミタナゴは浮き仕掛け(ボクの仕掛けとは真逆、仕掛けを浮かせる釣法)でないと釣れないよ」とキッパリ。返答に困るボク。だとすれば、今ボクがしている釣りは超常現象なのだろうか?!。
そんなわけで、釣りに “ 絶対 ” はないです。メバルは視力が良いから太い糸だと見抜かれやすいと言われてますが、ボクが上げたメバルは全てハリス(釣り糸)2号。決して見えにくい細さではありません。でもメバルさん達には気にならなかったのでしょう。理由は分かりません。
彼らは海底よりチョット上、頭を上にして体を傾け、頭上を通過するエサを数尾グループで待っています。海底のストラクチャー(岩やテトラ、海藻などの障害物)の中や極く付近で見張っているのです。岩場に居つくことから、カサゴやメバルはロックフィッシュとあだ名されます。釣り上げた時の海底環境によって、ある時は銀色に茶色い縦縞、黄金色に茶色い縦縞、の体色と様々です。なかなか愛嬌のある受け口、可愛らしいですよ。
◆メバル23センチ。寸が詰まって見える程のメタボ君です。キス天秤、ナス錘6号、自家製90センチ胴突仕掛け、モトスとエダス共に2号。鍼(ハリ)はメバル8号。アップダウンの誘い掛け。
★当ブログのエッセイ文、写真、イラストの無断掲載、転用を固く禁じます。
ふっくら柔らかい穴子。煮て良し、焼いて良し!。アナゴの押し寿司、アナゴの握り。
アナゴ散らし寿司にアナゴ天!。アア、そのさま思い描くだけでも卒倒しそうに熱狂するボクの胃袋!。近年、ウナギの枯渇からアナゴを代用する動きがワイワイ活発化。
しかし残念ながら似て非なる物、ウナギ大好物でもあるボクにしてみれば、やっはり気晴らしに食すの範囲を出ない。非常に柔らかく調理されたウナギでも、どこか引き締まった筋肉の名残を歯先に感じる。
それこそがウナギの旨味要素の大事なひとつではあるまいか。他方、アナゴにそれはない。あくまで柔らかさを内包する柔らかさ。それこそがアナゴのアナゴたる由縁、旨味要素のひとつではあるまいか。
釣り初心者だった頃、いかにも通が入る店といった風情の天ぷら屋を発見、ただちに入口横のお品書きに急接近す。“当店名物アナゴ天丼”。うわぁぁ~、即入店。菜箸の長さに匹敵するアナゴ天がシシトウとミョウガ天の上、丼またいで明日にかける橋。大喜びでひとくちパクッ。
穴子料理にまつわる問題点。ナマ臭いッ。これはアナゴ料理を台無しにしてしまう。匂いも味のうち、ではなく、匂いは味の半分かそれ以上の味、が正しい。松茸しかり、珈琲しかり。
穴子料理にまつわる問題点。柔らかくないッ。噛めば溶けるは積雪。そこまでとはいかずとも、やはり柔らかくあって欲しいはアナゴへの祈り。
穴子は夏の釣りもの、と言う人がかなりいます。遠投するんでしょ?と言う人も。アナゴって夜でないと釣れないモン、と言う人も少なからず。ボクも最初のうちはそう思って諦めておりました。
ところがある年のクリスマス、夕方5~6時。ボクは40~46センチのアナゴと7尾と20~30センチのカサゴ8尾を一度に釣り上げるという恩恵に浴してしまったのです。これは神の御業(みわざ)か!。
ペンシルアナゴと呼ばれる鉛筆大のアナゴを釣ったことはありましたが、こんな食べごろサイズは生まれて初めて。しかも問題は釣れた場所。それは沖合ではなく目の前の岸壁!。カサゴ釣りのつもりがアナゴ軍団鳴り物入り大乱入!。
仕掛けを落として5分以内に即アタリ(魚がハリに掛かったという合図)。大忙しの入れ食い状態。
カサゴとアナゴが仲良く手に手を取って暗い海から上がってくるサマは何と微笑ましいことか。直立不動、無反応で上がってくるカサゴの頬や腹に、半狂乱で暴れるアナゴの容赦ない全身ムチがピシャッ!、ピシッ!、と襲う。
口から鍼(ハリ)を外す時、カサゴさんは病院ベッドに寝そべった患者さんよろしくジッと医師の指示に従っているというのに、アナゴさんはとてつもない力で暴れ続け、ハリを外そうとするボクの指、手首に巻き付き、頭がどこに行ったやら全く分からず、手も腕もアナゴさんのヌルヌルでベータベタ。
それでも何とか口を見つけ鍼外しで外そうとすると「噛むぞ」と威嚇し、実際噛む。しかも痛い。
アナゴは全身のヌメリを落とさないことには包丁など使えません。熱湯に一瞬つけて即引き上げ。するとヌメリは青白くバター状に凝固しております。それをバターナイフでそぎ落とせばヌメリはゼロ。早速捌いて、あとはイソイソと天ぷら支度ッ ♪。新鮮だから無臭天ぷら。
いやいや、香ばしい匂いが立ち上りますぞ。ひとくち噛めば、あーコレコレ!。ふんわり柔らか、そしてジューシー!!。
●写真上、穴子62センチ、下の群れはアナゴ45センチ前後。スパイク天秤に仕掛け60センチ2本鍼、ハリス3号。ハリはチヌ4号。餌はサバの切り身短冊。