金太郎伝説 / もうひとつの隠れ秘話 / 改名への手順とは

Title : 勝利のおまじない

つい最近、つい最近、出がらし山のふもとに

金太郎という元気な男の子が

乳母と一緒に暮らしていました。

金太郎は山の仲間達、猿や猪、鹿、熊などと共に毎日全力で遊び回り、

同時に乳母の仕事の助けもしっかり努め、

畑仕事、土間のオオガメの水汲み、絹織のために育てているカイコ達の眼に、

時々懐中電灯の光を当ててまぶしがらせたりすること

も怠らなかったので、乳母には大層重宝され可愛いがられていた。

空澄み渡る五月のある日、仲良しの月の輪グマが

金太郎のところにやってきて、

「金太郎。お前もそろそろ十歳だな。随分立派になったもんだ。

そろそろ男らしい身体造りでも始めたらどうだ。

これから毎日オレ達と相撲を執って

鋼の身体に鍛え上げないか」

「それは良い考えだ月の輪。やろう、やろう、今すぐやろう!」

クマと金太郎が相撲を執る!。たちまち土に書いた土俵線周りには

山の仲間が押すな押すな。ガンバレ!、負けるなよ!、の大騒ぎ。

なんせ、金太郎は山里一の人気者。気はやさしくて力持ち!。

はっけよい、はっけよい!。

サア、ガップリ四つに組んだぞ!さてどうなるか!

と皆が興奮大声援、と同時に

金太郎はアッケなくゴロン。

「どんまいどんまい、金太郎!。まだ小手調べ、ほらほら、

もう1番いっちょ行こう!」と月の輪。

「あたぼうだい!」

ゴロン。ゴロゴロン!。ゴロゴロゴロッ!。

その繰り返しで、金太郎はアッと言う間に0勝37敗。

その日から山の仲間達は、金太郎のことを

銀太郎

と呼ぶようになった。

夜。乳母の差し出すヤマメの塩焼きに手を伸ばしながら銀太郎、

「バッチャン、心配には及ばないさ。いきなりクマとヤったのが無茶だった。

明日は子馬とやる。だから安心して!。また名前が金太郎に戻るから!」

「そうかい?……。ならいいけどねえ…」

翌日、銀太郎は子馬に完敗。0勝28敗。

その日から銀太郎は、山の仲間達から

銅太郎

と呼ばれるようになった。

「銅太郎、もう明日は決してお相撲なんか執っちゃいけないよ!。

明日も負けたらアトがないんだから。ここでやめておけば、

まだしも対面は保てるだろ、ね、もうおやめよ、後生だよ」

「はっはっはっは!、大丈夫なんだよバッチャン、明日はねえ、

猿の奴と執るんだ。アイツはボクより小柄だし、

間違っても負けるわけはないから安心してよ!」

銅太郎の屈託のない笑顔はブザマにも土にまみれた。猿を相手に0勝16敗。

「もうやめなよ銅太郎、オレなんか心苦しいよ。

いとも簡単に転がるお前の姿もう見たくないよ。ここで打ち止め!」

とおろおろ顔の猿。

「何を馬鹿な!、あと一番ッ!」

その日から銅太郎は、山の仲間達に

ニッケル太郎

と呼ばれるようになった。以降、懲りずにというか、躍起になってというか、

ムキになってというか…。

対小鹿戦 0勝21敗。翌日から

アルミニウム太郎。

対ウリンボ(猪の幼児) 0勝6敗。翌日から

プラスチック太郎。

対ムク犬戦 0勝4敗。翌日から

ダンボール太郎。

対リス線 0勝3敗1引き分け。翌日から

紙太郎。

対野鯉戦 0勝56敗。翌日から

太郎。

乳母の企て通り、誰に疑われることもなく金太郎は、

自然な形で改名に成功した。

刻々と変わるパスワード / 桃多郎伝説 / ハッキングされないように

Title : 「オレのためにおとぎ話読み聞かせサンケウ!」とオムツBABY

 

 

桃多郎は単独で鬼退治に向かった。

鬼達は、浜からでも全貌が見渡せる鬼が島に住んでいる。

若干16歳の彼は夜道を一切休むことなく歩き通し、

夜が明ける頃には三つの山をも越えていた。

最後の難関である四つ目の山中に入ったところで

比較的に男前の犬に呼び止められる。

 

「桃田郎さん、そんなに急いでどちらへ行かれるんですかい」

 

「何故、私の名を貴様は知っておるのだ。怪しい。

ひたすら怪しいが、マァ許そう。これから鬼退治に行くのだ。

貴様もプラプラしておるのなら、どうだ。

私と共に民を苦しめておる鬼をば退治しに行かんか」

 

「へへへ、そうですねえ…。桃他郎さん、その

御腰に付けている茶巾袋の中身は何でやんす。

もしやキビ団子じゃねぇんですかい」

 

「これか。これは鼻のテカリを取る吸い取り紙の束だ。お前も欲しいのか。

鼻が光っておるではないか。どうだ。これでテカリを取るか。

どうだ。ん?。一緒に来るか。

どうだ。幾枚か、くれてやるぞ」

 

「何だキビ団子じゃねぇのか…。

アッシはこれで暇 ( いとま ) させて頂きやす。

そいじゃ桃汰郎さん、随分とお達者で」

 

犬は並足で森の中へ消えて行った。その後ろ姿を見送りながら、

桃多郎は時の世の非情さを身をもって痛感せずにはおれなかった。

 

三里ばかり進んだところで、流石に左ワラジの紐がブツリと切れた。

様子を見ると右も追って沙汰ありの気配。仕方ない、少々早いが

此処で新しい物に履き替えるかと、路傍の手頃な岩に腰かけたのを

見計らったかのように、傍らの繁みからバタ臭い顔のキジが姿を現した。

 

「ヒョッ、として。…桃太郎さんとお見受けしやすが実際のとこ、

どうなんでげしょう。朝一番の月間『犬』に掲載されておりやしたのを

ツイ今しがた読んだばかりなんで。それで、もしや、

ここいらで待ってりゃァお会い出来るんじゃねえかと。

ヒヒ、案の定お会い出来やしたね。大層光栄でげす。

で、やはり鬼退治なんで?」

 

「ああそうだ。助太刀とは見上げた奴。では共するか。んん?。

こらしめてやるか鬼を。どうだ。参るか」

 

「その前に肝心なことをお聞きいたしやす。その腰にぶら下げてるやつァ~、

何がしかの食い物でもへえっておりやすんでげしょうか」

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亀の恩返し / 裏島太郎伝説 (前編)

Title : 鼻が魚になった男

 

 

裏島太郎は、白き泡やさしげに打ち寄せる砂浜を

軽快にスキップしながら邁進し続けていた。ここ最近の、

己が自堕落さを払拭したき心持ちで一杯になったからだ。紺碧の空、

鮮烈な印象残さずにはおかないクリア・ハイビジョンな水平線。

「春だ!。私の心持ちの春だ!」

裏島は激しく気分が高揚、スキップのバウンドを

2から3へ上げてしまう!。もんどりうって自身を餅つきさながら、

白砂に叩きつける様に転倒した。その時だ!。彼は

30メートルほど前方の波打ち際、

大きな亀が数人の童(わらべ)をこづき回しているのを目撃!。

鼻の孔に入った砂粒を激しくハタき落としながら立ち上がるや、

裏島は異常な速さでスキップ走行。たちまち問題の現場へ到着した。

 

「あいやしばらく!。亀ッ!、お前は何ぞしとるだがや!。

こがいな (このような) 童ら相手に何ちゅう大人気 (おとなげ) ない!」

 

「いかんのか…。童をイジメたら、いかんのか?。

何故だ。何故いかんのだろう」

 

「弱い者イジメだによぅー!。亀!、お前の方が身体がゴツい。

見てみぃ、皆お前の足元で泣いてんでねーのよ、可愛そうに!。

おうおう坊、泣かんでええよ、泣かんで、よしよし~、

お兄ちゃんが歌を歌っちゃるよ、歌を……

 

♪  亀の心にゃ壺がある フジツボまみれの中をば覗け

可愛いタコの童 (わらべ) 入り

シャコらが覗きに来ておじゃる ナマコも遠巻き 見ておじゃる

タコの童は満一歳 亀は知らずに大暴れ

吸盤童泣くのに大暴れ 恥知れドんぶら ちょこざいな

 

 

「何だ、その歌は。誰の作った歌だ?。妙に耳障りがいいな。

乙姫様にも聞かせたいものだ。あんた、名前は?」

 

「太郎だ。裏島太郎。ほして(そして) お前は?」

 

「ソシャクだ。海亀のソシャク。よく噛め。…なあ、お前。今から

海底深く人知れず佇む竜宮城 (たつのみやじょう) まで来てくれんか。

そこの御姫様に、今あんたが歌った歌を聴かせてやってはくれんか。

何がしかの礼はするつもりだが…どうだろう」

 

「海底に城が?。それはどえりゃぁ面白そうな!。行こう!、と

言いてえところだが、知っての通りオレは亀と違ぅぞよ。

人間は海底まで行けんのよ。後ろ髪は非常に引かれるんよ、

ほいでも行かれんわ」

 

「それなら問題ない。そこいらの蟹に頼んで酸素補給してもらえば問題ない。

カニが酸素を大量に含んだ泡を

アンタに口移しで肺に流し込むから大丈夫だ!」

 

「そんいう話なら呼ばれよ。んで、蟹はどこぞにおりやさる」

 

亀は向こうの磯、あっちの岩の間をと、あちこちを覗き込んでいたが

ほどなく80センチ程のカニと並んで戻って来た。

 

「この蟹が酸素ボンベ代わりをしてくれる。なあ?、カニ。頼んだよ」

 

「気安くカニの肩に触るんじゃねえッ!、この、いまいましいドンタレ亀が!。こいつの歌を乙姫様に聴かせるだぁ?。そんなにいい歌か、ちょっとお前、

オレにサワリを歌ってみ。早く!。

早ァー、やァー、くぅー!」

 

♫ ♬ ♪ カニのハサミにワカメの手ぬぐい 淡路島より美しかのよ

まことの蟹の 誉れなれ ああ、誉れなれ  ぶくぶく

 

「こいつぁ~驚いた!。いわゆる泣ける歌じゃねぇかよ、ホントに!。

よし分かった、オレがひと肌脱いでやろうじゃねぇか!、待ってろ!」

カニはその場で脱皮したが、30分を待たねばならなかった。開始5分で

野良犬の乱入などがあり、裏島と亀はカニのディフェンスに追われたのだ。

 

続く

 

 

亀の恩返し / 裏島太郎伝説 (後編)

Title : ビューチフル乙姫様

 

 

 

竜宮城は余りにも地味な海底城だった。

 

「いわゆる色がねえんだち。そりゃそうでよ。この城で

人間様の恰好してんのは乙姫(おつき)様だけって話よ。

高貴なお方はペンキなんぞ塗らんでよ」と、亀。

 

「そうなんかい。しかし…残念だ。あんなに良い歌なのに何故……なぜに

乙姫様は気に入らなかったのだろう…。解せない…」と、いぶかしげな太郎。

 

「ア、それオレ知ってる。さっき乙姫様の従者に聞いた。あんなァ、

歌を歌う途中途中でお前が息継ぎするだろ。……コラ、裏島、聞けッ!

お前の話をしてんだろうがよッ!」突如キレるカニ。

 

「聞いてるよぅ~。ちいっと向こうの昆布をチラ見しただけでや」

 

「チッ !! ……。聞け!。よぉく。……息継ぎの時にな、

お前の鼻の孔が膨らむ角度が気に入らねえってよ。なんか

ブラックホールみてえだって。分かるかァ?このシリアスな

……なんかこう………。分かったか !!」とさらにブチ切れるカニ。

 

「うん、分かった。自分の見聞きしたことをよぅー、臨場感一杯に表現して

歌で聞かせちゃあーのによぅ!。やっぱ、歌詞が高尚過ぎたのかねぇ!」

 

「そうなの?」と、急に安らいだ顔になるカニ。

 

カニの話を黙って聞いていた亀は、全身が総毛だった!。

( 注 : 海亀の甲羅に繁茂しているコケを漁師が毛と勘違いすることがある。

ウッキーペディア)。

 

「だとすれば裏、お前は一刻も早く此処を立ち去らねばならん!。

お前は此処の存在を知ってしまった。乙姫様は用無しの人間を

此処に置くほど愚かではない。すぐにも刺客がやって来るぞ!」と亀。

 

「じゃ帰るっち。カニよ、またブクブクッてしてやりんな。行こ行こ」

 

「まあ待て裏。無事オカに帰っても、刺客がお前の家までやって来る。

そうだ、良いものをやろう。待ってろ」

 

亀は土間の冷蔵庫へ向かう。慌ててカニがそれを追い

冷蔵庫を一緒に覗き込んでいたが、亀だけが玉手箱を手に戻ってきた。

 

「カニは冷蔵庫の前で何を食ってんじゃろか」と太郎。

 

「トコロテンだ。……コラッ!カニッ!、冷蔵庫のドアちゃんと閉めろ!

…いいか裏、浜に着いたらすぐに玉手箱を開けろ。煙が出るから

顔全体に煙を浴びるんだぞ。そうすればお前は即刻オジイチャンになる。

その時いいか、上手いもんが玉手箱の底にあるぞ、とカニに言うんだ。

アイツはすぐ覗き込むから、その時、カニの後頭部を叩いて

玉手箱の底にアイツの顔を打ち付けろ。どうだ、出来るか」

 

「どういう意味かサッパシだなし。そうすっと、ドんぎゃなるんね」

 

「蟹もオジイチャンになるんだ。アイツも刺客に狙われるだろうから

顔を変える方がいい」

 

「カニも年取ると顔変わるんけ!」

「変わらない。あくまでもアイツの気分の問題だろう」

 

亀の指示通り、裏島太郎はその通りに実行した。確かに

紅顔の美少年はたちまち老人と化したが、

家族を始め村人のことごとくが、即座に彼を裏島だと承知した。

カニの素性は誰にも分からなかったものの、

カニは太郎の家で泡盛の味を覚え、村一番の酒豪になった。

裏島は一気に年老いたが、とうとう刺客など全く現れもしなかった。

亀の作り話で、おとぎ話の上っ面だけをなぞった帳尻合わせだった。

何が何でも玉手箱から煙が出る、というエンディングに固執しただけ。

 

ところで、太郎が老人と化したのは顔だけ。他は青年のまま。すなわち、

老人が清らかなボーイ・ソプラノで歌いながら浜辺をスキップする。

その噂はたちまち全世界を駆け巡り、

太郎の村は一大観光村で栄えたという。

 

完。

 

 

初回限定、価格破壊、激安 / 安心3原則

Title : 燃えよ激安!!

 

 

 

「初回限定大好き!、

何何、それ早く言え、早くッ!」

 

と、大きな黒目を

ディズピカ ( ディズニープリンセス系アイキャッチ・ライト )

させる夏の恋人、その名も海家 ( みや。21歳、フリーター )。

 

「言うと思ったぜぇ~、ヘラヘラ。

幼児は、2歳くらいまでは固いモン絶対食わせちゃいけないってこと。

歯がイカレちゃうんだよ。

ベロで噛み砕くことが出来る、

くらいのモンしか食べさせちゃいけないってことサ。

これが、いわゆる初回限定。儲けた気分の情報だろ?」

などと、サーファー特有の

フッマイル ( フッ素加工を人々に促さずにはおかない歯並びの笑顔口元。別称、カコマイ )

を見せながら海家 ( みや ) の肩に手を回す

波流男 ( はるお。19才、アリゲーター )。

 

「価格破壊って言ったから、期待して聞いたんじゃんかよバカアー、

姉キの子供の話と何の関係があるっつうんだよぉー」

 

浜砂ついた足裏で、恋人半年目の

バミュパハー ( バミューダパンツの腿部を半分カットしてミニパンにしたもの。別称バミュミ )

のオシリを軽く蹴る、黒焦げ肌の夏美女。

 

「子供は、目につく場所に置いてある物を

考えも無しに口に入れる習性があるんだってよ。

そんなモンで喉詰まらせちゃったらシャレになんないだろ~?。

だから値札は、即刻ビリビリに破ってゴミ箱に捨てる

のが親の役目なのよ。コレが価格破壊、分かるっしょ?」

 

「じゃ、さっき激安って言ったじゃんかよ。ソレ何だよ、言ってみ」

 

「子供が喉に詰まらせるモンが

回りから無くなれば親は当然激安心。

アレ、オレそう言わなかったっけか。要するにサー、

初回限定、価格破壊、激安 = 幼児の為の安心環境整備スローガン

 

「これがキーワードってこと。今は少子化の時代だろ~?。

社会ぐるみで子供を守ろうって意識が高まってんじゃんか。

だから大人達はみんな目の色変えて

こーゆーキーワー追いかけ回してるってわけよ」

 

「え。そうなの。アタシ、みんな少ないお金でやりくり大変だから

目の色変えてるんだって思ってたんだけど。…違うの?。違う…」

 

「違わなくないよ。子供が喉に物を詰まらせたら大変だろ。

救急車呼んでヘタすりゃ命の危険さえあるぜ。

医療費考えろって。

固い値札、食品トレー、食品プラスチックケース、

何でもかんでも即ハサミ!。

小さく切っちゃえば、ゴミ袋だって3枚使ってたものが1枚で済むんだぜ、

ちゃあんとやりくりの役に立ってんだよ」

 

「じゃ、小さい子がいない家庭はどうなんだよおー。エ?。

大人が固い値札を喉に詰まらせるわけないじゃんかあー!」

 

「ま、そうだ。でもオレのダチなんかヨメに値札見せる時、

もとの本物捨てて、PCで巧妙に作った値札にすり変えたヤツ見せて

お金チョロまかしてんだよ。立派な倹約だろ?。

これを価格破壊と呼ばずしてなん…

 

「アンタと話してると、ウチラの関係が間違いだったって確信するよ。

もう付き合わない。今ここで恋人解消させてもらう!。

そうすりゃ未来も激安だよ、な、そーだろうが」

 

「キレイに別れられたな。初回限定ロマンスか。

海の恋人だったなオレら ( 満足笑 )」

 

 

 

 

 

 

 

2022年 最強お守り壁紙発表!/ わざわいを食うフクロウ

Title : 遂に満を持して宇宙落下した2022年お守り壁紙

禍食い・わざわいぐい

 

 

 

〇 映像は、南米産の納豆糸で編みこまれた

膨張フクロウ

として有名な

“ぼあ”

の正面飛行の図〈アマゾン多重人格民族ヘマデヘドモ族の長老、ヘドメドモヘが某宇宙人達の依頼で光速撮影したことが後に判明している〉。

“ ぼあ ” は、幻のフクロウとされ、パラソル蟻に長寿と繁栄をもたらす鳥としてジャングルの猿達からアリガタヤと、あがめられている。

カバは “ ぼあ ” が大嫌いだそうで、その話題が出ると貴重な水源から

湯上りノボセでクラッとなりながらも慌てて立ち去るほどだという。

〈アマゾン腰痛民族テレンテレコレテ酋長、アシギテロコイイウームアンの談話より抜粋 / 参考文献:オオアリクイは北極にはいなかった・轟五郎ノ助著〉

 

 

 

毎年、前年の暮れに未確認飛行物体から落とされる

全長3センチの地球適応型メモリーが、

12月5日未明、今年もアメリカはロズウェル南西部の牧場に落下し、MANAの手で無事回収された。宇宙語変換システマイザーで地球言語に変換されたコメントは、

 

SPACEのSを除去してPACEとし、Pの字のあとにEを入れよ

 

国連予備会議は、このメッセージを過半数には至らずとして却下した。

指輪物語 / ホビット庄 / 東京多摩川河川敷に出現

Title : 仰天するダルマ (過去を振り捨て立ち上がれ!)

 

 

小春日和 ( こはるびより )

は、春の頃を指しているのではありません。

 

子供の頃、ポカポカ陽気の春の午後、母に

「今日は小春日和だねぇ~」

と言ったら、

小春日和は、秋から冬にかけての春めいた陽気の日

のことだと、笑われたことを思い出します。

 

昨日がまさに、その小春日和でありました。

私は、落ちハゼ釣りをしている人が居るのかどうか

偵察に多摩川までチャリ走行。

 

♫ ススキの原は銀の色~、ではありますが

釣り人はほとんど見当たらず。

汚染に強いと言われるハゼも、アサリ同様、

汚染が進んだ

生物生息生息不可能となった東京湾で、

人知れず死に絶えていったようであります。

私は涙で視界が見えず、エッ、エッ、と泣きじゃくりながら

ふと顔を上げると、次なる景色が

目に飛び込んできたのでござひます。

 

 

Title : 多摩川よりムサコ ( 武蔵小杉 ) 遠望

 

 

周囲の平屋住宅群を見下ろす天空の摩天楼でありましょう?。

居ましたね、ジョン・マッテンロー、

などとオヤジ・ギャグを呟きながら河川敷を移動していたら、

驚くべきものを発見してしまいました!。

 

 

Title : ホビット庄

 

 

J.R.R・トールキン原作の映画『指輪物語』

に出てきたアレですよ。“ 中つ国 ” にある架空の地方、

そこで暮らすホビットなるコビトたちの村、

それがホビット庄。

 

これはアリ塚のようでもありますが、

ツタのような植物が

倒木の立ち枝まわりに繁茂、

のちに枯れたもの、のよーでありますが、

東京にもホビットが?、と信じてしまいそーな景観。

 

 

Title : コビトの家

 

 

多摩川の河川敷景観から、

ホームレスの住居が消えて久しいですが、

まさかこれが?、と一瞬、頭をよぎりましたが

川崎市自立支援センターが

ホームレスの方々に

施設入所を促した結果だそうですから、

これは違いますね。

 

 

Title : もぬけの殻

 

 

見て下さい。この蜘蛛の糸を吐きかけられた入口の跡を…。

もし、これがホビットの家でないのだとしたら、

果たして、このような巨大な化け物蜘蛛が

襲撃などするでしょうか?。

糸からして相当大きな、

子牛ほどの大きさのクモだと思います。

つまり、これはある意味、

これがホビット住居だという

証拠写真になり得るのでは?。

 

今、ふと思い立って、ホビットの家を念のために画像検索してみたら、

 

 

Title : 映画『指輪物語』より、あるホビットの家

 

 

何か、私が遭遇したヤツとは全く違いますね。

………。

 

もう、この記事で見たり読んだりしたことは

忘れて下さい。

 

人の記憶は、いや、

私の記憶は、いい加減なもののようです。

 

置き忘れた過去と

今、現在とのギャップ。

 

野菜を炒める、のという漢字は

少ない火、と書きます。

昔は、焦げ付かないフライパンなど無かったので

炒め物は弱火だったのかもしれませんね。

今は、が二段のが立つほどの

フライパン料理もありますから、

過去と現在のギャップは非常に大きい。

 

つまり、この例え話、私の思い違いとは

何ら関係性はないものの、

炒、という漢字を抹消出来ないように

私が書いたこの記事も

抹消は出来ず、そのまま投稿してしまう、

投稿してしまった、

そういったところでしょうか。

 

 

どういったところ?。

 

 

王様と象と妃 / 千夜二夜物語より / 誰なのかを特定せよ

Title : 気高く誇り高き者達

 

 

「頭の良い象よ。お前は耳の奥に埋没してしまったイヤホンを除去してくれと、何故ワシに頼まん?。もう3日になるであろうに…。除去が怖いのか?。うん?。ワシがいまひとつ信じられんか」

その様に王様は象にお尋ねになられた。すると象は、

「イヤホンが耳栓になっていること気づいたのだ。片方だけだから音は聞こえるし、半分の音声になって丁度良い。お前の声も小さくなって最高だ」

「お前って誰じゃ。……ワシのことか?」

「他にいないからな」

「流石に馬鹿な考えをするものだ。はっはっは。さすがアニマル」

「アニマルって誰だ。…もしかしてオレのこと言っているのか」

「他におらんじゃろう」

「二階の妃 (きさき) の部屋にオランウータンとオウムが居るであろうが」

「何でそんなことをお前が知っているのだ。二階へは上がれないくせに」

「二階へ上がれない?。誰が」

「お前に決まっておるだろうが。お前と話しておるのだからな」

「オレと話してる?。誰が」

「ワシに決まっておるだろう。他に誰がおる」

「後ろに妃がいる」

「えっ?。いつの間に来たのだ妃よ!」

「いつの間に来たか?。誰の事を言っているの?」

「お前に決まっておるではないか」

「だってアナタも象もここへ来てるじゃないの。いつ来たのよ」

「さっきだ」

「私もさっきよ。あなた方はいつのさっきよ」

「お前の前のさっきだ。待て。あなた方とは誰の事だ」

「王様と象よ。他に誰がいるのよ」

「お前だ。ワシらは人間だからアナタ方は分かる。しかるにワシとアニマライズされておる象を同等に扱ってアナタ方とは侮辱だ。訂正せよ我が愛する妃よ」

すると象が、

「愛する妃?。じゃこの間、お前が見知らぬ女と愛し合っていたのを河畔で見かけたが、あれは誰だ」

「…………………」

 

 

犬は友達 / 不当な扱いに抗議 / 犬より猫

Title : お手上げワンちゃん

 

 

今年も、12月恒例、わが日本列島に於ける

『2021年最も注目すべき重大な出来事 』

が12月7日、定刻劇場88階間抜けの間で

多くの報道陣を集め発表された。

2位3位は大方の予想通り、

3位がコロナワクチン3回接種してもええじゃないか騒動、

2位がシュウマイ議院総選挙グリンピース外し画策疑惑

であったが、関係者を大いに驚かせたのは、注目の第1位だ。

 

当初、SNSでも第1位は

冷凍春雨の名称をメーカーの区別なく

“ 氷雨 ( ひさめ ) ”

とする時限立法の強行採決が最有力とみられていたが、

結果は、DOG乱が第1位。

2022年干支である虎 (トラ ) が

2022年の干支を正式辞退したことにより、

繰り上げ干支に返り咲いた犬の顔色をうかがう形での1位の缶が強く、

カンの中身はプレミアム謎肉、が大方の予想。

 

小社ペット部は、日本犬就寝 ( ケンネル) 協会理事長のキャワワワーン森本 ( 以下、K森本)

に、第1位の感想を、

東京虎ノ門協会会館別館改装工事中ペンキ塗りたての別室にて

100円SHOPのレインコート着用で伺った。

 

「飼い主たちが、とかく会話の中で

“ それじゃまるで犬死 ( いぬじに )だ! ”

等と例えることが多いわけで、これには全国の

チワワ日本語学校創設メンバー互助会コンニチワを始め、

多くの犬種団体から、

イヌジニという言葉を辞書から完全抹消するようにとの抗議が

沸き起こったことは周知の事実です。

ただの老衰で亡くなるケースでも、イヌジニとの汚名を着せられてしまうのですから私達の心労をお察し下さい。

まぁ、着せられてもすぐに脱ぎ捨てますけどね。

さらに、

犬も歩けば棒に当たる

ですよ。棒に当たった犬など過去ほとんどおりません。

それに、

犬が歩けば、ではなく、犬も歩けば、

という点が、多くの犬達を悩ませているところです。

犬も、ということは、他の動物もまた棒に当たるのだと考えられるわけで、

その動物とは一体なにか?、を解明すべく

去年も『第4回犬も歩けば解明大賞展』を開催しましたが、

全国応募総数3772100の中から、これは!

という推論を提言出来たもの ( 応募規定:400字詰め原稿用紙2枚以内 ) は

残念ながら見出せませんでした。さらに、

 

誰かをスパイ呼ばわりする時にも

〇〇のイヌ

などと、極めて侮辱的な言い回しが未だに使われるわけで

日本SAFEも、新政権誕生後、

これらのことにはとんと無頓着、何の対処もしておりません。

そのようなことから当協会としましては、

全国園内冬季ドッグラン使用禁止全面解除

を求め、飼い主の手を振り切り、

コロナ禍の、

マスクなし散歩強行突破

を全国規模で展開したわけです。

結果的には、TVナマ中継が

 

全国犬駅伝の模様をお伝えしております

 

とテロップを出してしまったので、

我々の抗議は湾曲されてしまいました。また、

未だに中高の社会科授業では、

愚かな民衆に選ばれた愚かな政治家が政治をつかさどることを

黄犬政治

と教えています。

みなさん、天然の黄色い犬というものを

見たことが1度でもありますか?。いやいや、

サアカスのピエロ犬は違います。

あれは水性絵の具を塗られているんですから。

とにかく、このように1から10まで

犬を愚弄、ネコを賞賛、

という閉塞感のある社会を改善すべく、

私達は今後もランするつもりでおります」

 

注:この談話は、社に戻った質問記者が、

スマホの録音をONにし忘れていたことに気づいたものの、

インタビューの返答内容も完全に忘れてしまっていたことから

適当に創作して発表したものであることが後日判明した。

 

 

 

花嫁の父 / 女の花道 / バラより野菊

Title: 居心地の良い岸辺

 

 

 

「来月私、花嫁さんになります」とうっすら涙目のテラ。

たおやかなる風呂上りの香が美しい涙によく似合う。

「本当によかったわね」傍らに座す妻テリの言葉に感極まる花嫁の父テオ。

嗚咽をグッとこらえて満身の力で押し返し、泣くという不覚をギリギリ回避しての第一声、

「花嫁、花婿。……。華嫁、華婿と書く事が許されていない以上、そこまで華やかな2人って程ではないということか…。悔しいよ父さん…。見くびられたものだな、全く」

刹那、庭先の木陰からコオロギがひときわ高く賛同の音色。

リヒーン、リリヒイーン!

皿に溜まった食べかけのスイカツユをソッと指先でかきまわし、ふいに湧き上がった軽い怒りにまかせ、ツユに浸かっているスイカタネを荒々しく指先で庭へと弾き飛ばす花嫁の母テリ。年期が入った縁側が少し濡れて…。

「チッ。バカなことをッ」小さく吐き捨て押し黙る妻に向かってテオ、

「勘働き鋭いお前のことだ、内心では分かっているんだろう。…雅(みやび)で華麗な華道(かどう)なのであって、決して花道(かどう)ではないということ。男と女の花道(はなみち)、それが結婚式だ。花道(はなみち)だから花嫁花婿。華道より地味。地味婚だ」

意を決したようにキッと膝頭を夫に向けて正面座し、花嫁の母、怒る(いかる)。

「アナタは世間様のことを随分とご存知のようですから、ちょいと伺いますけれども、華道の家元がご結婚あそばす時は、華道(はなみち)なんですの、それとも案の定、花道(はなみち)なんですの?。さッ、お答になって下さいましな」

「もういいわよママ…。パパちょっと苛立っているの。私が来月嫁ぐから…」

「何を言う。苛立ってなどいない」と苛立ちを隠しきれないテオ、オノレのふくらはぎに付着したスイカの種に気づくや、マッハで庭へと叩き(はたき)飛ばすと

「テリっ。テリっ!。ふて腐れてないでキチンと聞きなさい。さあ、こっちを見て。そんな様子だと顔がまるで下関のフグの様に見えるじゃないか。…豪華という言葉、それは大層立派な派手さがあるじゃないか。な?。豪花とは誰1人として口にせんのだよ。華道の家元は豪華、ゆえに華道(はなみち)。完全に統一された一点の曇りもない事実、分かるね。どうだ、2人共。納得したか。んッ?」

微妙!、とばかりヤブキリ(バッタの一種)がチィーッ!と単発鳴き。

「アアア、アナタは自分の娘が華やかではないと言い張って、それがそんなに得意なことなんですかッ?。ただひねくれた父親ってだけじゃありませんかッ」

激しく鳴き狂う複数のコオロギ群、賛同の意を表明!。その音にかき消されそうな、チィーッ、というヤブキリの微妙表明。

「華麗なバラより野菊でいいと言ってるんだオレは…。テラには野菊が似合う」

「裏の意味は、ワンランク下げた式場にしたいという意味ですか?」とテリ。

「そういうことだ」