ファミレス窓際でエットモ(ダイエットの話題のみを語り合う友)待つ励美(はげみ)の目にファミレス階段上ってくる隙有(すゆ)の姿。
“ 良かったア。全然痩せとらんヤン!”
共に鳴き、共に笑うのが芯の友。喜びも悲しみも育年月(いくとしつき)なのだから…。2人は高校時代からの固い梱包用タコ糸で結ばれた強い絆のナゲキャー(嘆きながらキャーキャー騒ぐ者)達だった。
「ねえねえ、そうめんダイエット、歯がゆいくらい検索かけてくれたんか。アタシ、知りとうてメッチャ気合い入れて来たんやでぇー!」
着席するなり、大きく強めに息を2回吐き出す隙有(すきゆ)を見て、
“ アアやっぱりウチと同じや、体重重いと階段上がんのシンドイやん ”
「マ、倖田來未は10キロ痩せたけど体も鍛えとるわけやしな。そうめんは確かに痩せるらしいワ。白米の代わりに食べたらエエゆうて書いてあったワ、…アンタ何食べんの今日。素麺もメニューにあったで」
「ウーン!。せやなァ。今日はまだ暑ぅないからテキサス・ビッグ豚のゴマカシ垂れだけでええワ。ライス付けたらダイエットにならん」
「いらっしゃいませ。今日のランチはアリゾナ直送のゴードン豚のピーナッツバター添えがお薦めとなっております。お決まりになりま
「ピーナッツバター添え?。それエエやん。ピーナッツバターはダイエット向きなんやろ?。ダイエットメニューとしてアンタんとこ、出した?」とウェイトレスの顔をまばたき一つせず見上げる励美。
「あ、ええと…どうなん…。ちょっと聞いてきます」
「ピーナッツバターもやったんやろアンタ、ちょっと痩せた様な気がしたて、言うとったやん。前やからウチ忘れてしもたワ。どうなん」
「ウーン!。よう覚えとらん(笑)。そうめんはやってもエエ思う?」
「お待たせしました。特にダイエット効果はないとのことでした」
「ああ、そうなんやぁぁぁ…。あ、今思いついたんやけどな、メニュウのそうめんにトッピングでハムとかテンプラとか、何かあるのアンタんとこ。あるんやったら…「トッピングですと、こちらの、どれでも200円プレートからお選びいただく形になっておりま「ハムないやん。コレ、カラアゲとフライドポテイトウやん。あと、カラアゲやん。ないの?天ぷら」と口尖らせ励美。
「エエよ、エエよ、あんましイジメたら可哀そうやんか、ナァ~?。ウチは合同豚でエエわ。ライスいらん、ダイエット中やから」
「ほならアタシも合同豚のピーナッツバターでライス抜き」
「かしこまりました。メニューお下げ致しま「置いてってエエよ。追加注文するかもしれんしな」
「結局、そうめんダイエットやった方がエエの?」
「一束くらいならダイエット効果あるんやて。1回の食事で3束は太るらしいデ。それとな、天ぷらとか入れたら意味ないらしいんやて」
「何やアンタ、今、天ぷら入れようとしてたヤンか!、あははは!」
「アホ、試したんやないのぉ~。ホンマにそうめんダイエットが浸透しとるゆうなら、あの娘は天ぷら乗せたらダイエットになりませんよとピシャリ言うたハズや。何にも言わんかったゆうことはやで、あんまし世間的に浸透しとらんゆうことやろ、考えてみぃな、今、7月初旬やで、そうめんシーズン迎えとるやんか全力投球でな。それが無反応やったんやデ、あの娘。そうめん、苦しいダイエットの割に報われん可能性あるんとチャウか?」
「ウチもな、そんなことやろと半分思うとったんや。握り寿司も低カロリーやと思うとったらラーメンと大して変わらんカロリーやったしなあ。寿司は油使うとらんからテッキリ痩せると思うとったのに、詐欺やデ、もはや。どれもこれもデタラメばっかしヤン!。ええ加減にせえよ言いたなるワッ!」
「ホンマや。何かがおかしいワ、今の世の中」
◆写真タイトル / 中トロ60~65キロカロリー
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