Title : 気高く誇り高き者達
「頭の良い象よ。お前は耳の奥に埋没してしまったイヤホンを除去してくれと、何故ワシに頼まん?。もう3日になるであろうに…。除去が怖いのか?。うん?。ワシがいまひとつ信じられんか」
その様に王様は象にお尋ねになられた。すると象は、
「イヤホンが耳栓になっていること気づいたのだ。片方だけだから音は聞こえるし、半分の音声になって丁度良い。お前の声も小さくなって最高だ」
「お前って誰じゃ。……ワシのことか?」
「他にいないからな」
「流石に馬鹿な考えをするものだ。はっはっは。さすがアニマル」
「アニマルって誰だ。…もしかしてオレのこと言っているのか」
「他におらんじゃろう」
「二階の妃 (きさき) の部屋にオランウータンとオウムが居るであろうが」
「何でそんなことをお前が知っているのだ。二階へは上がれないくせに」
「二階へ上がれない?。誰が」
「お前に決まっておるだろうが。お前と話しておるのだからな」
「オレと話してる?。誰が」
「ワシに決まっておるだろう。他に誰がおる」
「後ろに妃がいる」
「えっ?。いつの間に来たのだ妃よ!」
「いつの間に来たか?。誰の事を言っているの?」
「お前に決まっておるではないか」
「だってアナタも象もここへ来てるじゃないの。いつ来たのよ」
「さっきだ」
「私もさっきよ。あなた方はいつのさっきよ」
「お前の前のさっきだ。待て。あなた方とは誰の事だ」
「王様と象よ。他に誰がいるのよ」
「お前だ。ワシらは人間だからアナタ方は分かる。しかるにワシとアニマライズされておる象を同等に扱ってアナタ方とは侮辱だ。訂正せよ我が愛する妃よ」
すると象が、
「愛する妃?。じゃこの間、お前が見知らぬ女と愛し合っていたのを河畔で見かけたが、あれは誰だ」
「…………………」