ひとりごと / 誰かと同じ / 私がアナタでした

Title : 「おひかえなすって。手前、生国は日本列島、不思議の国で産湯につかり、人呼んでジャパニーズと発します」

 

 

親子丼を注文して鶏肉だけを残す人が、確かに存在するように、

バーゲン会場で、損するなんてマッピラだと、不必要なものを買いあさり、悦に入る人が人々の心を照らすように、

スタバでコーヒーを飲んでいる自分の姿をオシャレに想像し、押し合いへし合いの席に眉しかめ座りつつ、目的達成の安らぎを感じる人が涙ぐましいように、

室内で物をよく落とす人が、それを握力不足のせいではなく、自分の不運のせいではないかと疑惑を持ってしまうように、

確かに、確かに、

“ 愛されたい ” から。という理由で、誰かを愛してしまう人は確かに存在する。

“ 愛してみたい ” ので…。という理由で、誰かをアテなく探す人は確かに存在する。

 

晴れ予報を信じ外出し、降水確率0%の計画を本降りで濡らす。天気予報なんて当たらないと怒り、翌日には天気予報をチェックする人が存在するように、

自分に重ね合わせることが出来る容姿の芸能人の評価を、常にチェックせずにはおれない人が、全くもって存在するように、

 

“ お金がかかるから ” という理由で、誰をも愛する予定を作らない人は結局存在する。

“お金の使い道の1つとして” という理由で、バラまくお金の力で恋愛が買えていることを忘れてしまう人だって、たびたび存在する。

 

深刻な便秘の解消法を未だ見いだせず困り果てているのに、現代社会の進歩に、感激仕切りの人がチマタに存在するように、

鏡に映る無表情な自分の顔を、トレンディードラマの主人公表情とイコールなのだからと、安心するナルシーな人が微笑ましく存在するように、

 

これが幸せだ。

と定義できるものなど、この世には何一つとして存在しない。