イシモチなる魚がおります。正式名称はシログチですが、関東ではイシモチの方が通りは良いです。この魚は実にビジュアル系。現代的な未来志向をイメージさせてくれる誠にスタイリッシュなお魚であると思います。銀の光沢を放つ魚は多々あれど、イシモチのシルバーボディーは他のソレらと大違い!。まるでメッキを施した様な、非常にメタリックで人口的な銀色なのです。児童の頃、メタリックな戦闘機プラモデルにウットリ見惚れておりましたが、まさにソレ。お魚サイボーグ、みたいな。更に驚愕すべきは、太陽光の当たる角度によって純金に見えたり、虹色に見えたりすることです。これがビジュアル系だと指摘出来る由縁です。キスやアジなどでも 金色、銀色、桃色吐息( 楽曲/桃色吐息の歌詞一節 )に見えたりはしますが、イシモチほどの極端さではないように思います。
この方々は、大抵、堤防から遥か彼方の沖合でワイワイやっておられます。海底のサーフ(砂地)あたりを群れ集っておるのです。実に貪欲な皆様ですから、たっぷりとテンコ盛りにした釣り餌を発見するや「野郎ども! 食おうじゃねぇーか!!」と次々に襲いかかるのであります。ですから、仕掛けは2~3本の鍼(ハリ)がついているものを使用する方が効果的。1度に2尾も3尾も数珠繋ぎで上がってきて下さいます。陸に上げると「グゥーグゥー」と鳴き、釣り人を驚かせたりしますが、これは浮袋収縮の音だそうです。エドはるみというわけではありません。
投げ竿を使い、仕掛けを沖まで一直線!。30mあたりでも釣れますが、やはり数を出したいなら50~80mってところでしょうねえ。塩焼きは香ばしくてクセがなく、ボクは大好き。味覚の素晴らしさの割りにスーパーで見かけないのは、アシが速いこと、1尾売りよりカマボコにする方が何かと好都合だからではないでしょうか。捌くのは実に簡単、初めての人でも何とかなります。その点メジナと大違い。あのお方を捌くのは大層難儀します。捌くうち、メジナ様の裁きを感じずにはおれません。
◆写真のイシモチは31センチ、30センチ、29センチ。スパイク天秤25号に吹き流し3本鍼(ハリ)、ハリス3号、1m、鍼チヌ3号、サンマ短冊房掛け。
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