ゲリラ豪雨は唐突に / 雨に消えたマーキング

Title : ゲリラ・ベーコン

 

 

本日9月18日、午後5時過ぎ、私はいつものファミレス窓際にて珈琲を楽しんでいた。予報によるゲリラ豪雨に遭遇することなく無事入店して30分ほど経過していた。

ガラス越し、私の真横、1本の街路樹で30代男性と雑種犬がピタリと止まるのが見えた。細面(ほそおもて)の茶色い雑種犬は後ろ足を大きく上げ、お小水マーキングをしようとした。眺めていたがなかなか出ない。私はすかさず腕時計を見やり、秒針と茶黄色の犬を交互に凝視していたのだが、15秒を経過した頃、ようやくチョロチョロと出始めた。主人は優しい人なのだろう、辛抱強く佇んでいる。

突如激しいゲリラ豪雨。まるで詐欺のような唐突なるワザとらしさ。犬の記した渾身のマーキングはアッと言う間に全否定され、脱兎のごとく息もピッタリに走り出した犬と飼い主の前、非情な信号機はまたも唐突に赤に変わった。

非常に申し訳ないが、呆然と佇むその後ろ姿は私を爆笑させた。申し訳ない。