Title : 空腹で注意力ばらばら
絶食ダイエット2日目。
朝食抜きは長年のルーティーンだし、さして昼食も特別な食の要求はなし。
こいつァー前日続きで調子がイイぞォ~、
と思っていたところへ衝撃の魔の刻。
台所から食欲そそる匂いがボクの自室に届いてきたわけでなし、
美味しい食べ物を思い描いていたわけでもない。
突然に、そのスイッチが入ったのだ!。
夜6時半、全身が震える程の空腹感。瞬時にして
“もうダメだ!。
絶食はおろかダイエットなんて
これっぽっちも無理だ不能だ不可能だ!! ”
と、観念してしまう程の凄まじい飢餓感!!。
机に向かいイスに座し、何とか魔の刻やり過ごそうと抗うボクだったが、
アリャリャ?、自分の意志とは無関係にスックと立ち上がってしまった。
まさしく本能の成せるワザ。
アア、これか。生存本能起動か。
時間が来て録画予約番組がスタートし
自動的にTVのスイッチが入るように、
それはあらかじめ約束されていたところの
“ 生存本能 / 食欲カテゴリの更新と実行 ” の自動インストゥール。
いや、ボクもコレを全く予期しなかったわけではない。
でもボクはティーンエイジャー。自分中心に物事を決めがち。
決めたい。だから、それは無いっしょ、で目をつぶった。
その反面で対応策はウッスラと用意。
受験生ならば滑り止めは用意するもの。
それを実践しよう。
脳ミソという主人。その御方にに大目玉をくらった食欲部門専任作業員は
ハタと我に返り、直ちに飢餓警報をボクの身体全機関に発令。
その音色は最優先事項を示す。
ウワワワォォォ~ン。
全血管中の赤血球や白血球、血小板が
「食わせろーッ」
と激怒で煮えたぎり始める。
全身の筋肉が張りつめ、その皮膚には畏怖の鳥肌総ウブ毛立ち。
胃袋は絶望的な面持ちでしゃがみこみ、肺はシャックリ寸前、
腸はひきつけ寸前、自分の意に反して何度も喉が鳴る。
いてもたってもいられなくなったボク、自室脱出!。
「ちょっと散歩ッ」
言い放つや食卓に背を向けスニーカーつっかけ外へ!。
無一文だから買い食い不可。
既に、全身が食べる行為への渇望に完全支配されている。
今、何かひとつでも自分の好物を脳裏に思い描いたが最後、
昨日今日のボクの企ては水泡に帰してしまう。
「満腹、満腹!、アーお腹一杯だぁー」
などと、うそぶいても無駄。
耳は脳ではない。眼!。眼は脳だから、コヤツらに何かを見せなければ!!。
きびすを返して自宅に戻り、また大学ノートに書くか?!。
イヤ、駄目だ駄目だ、それが通用しなかったから今こうなっている。
アレしかない!!。