Title : ドンドンドボン
どんなに機能や性能が他社よりはるかに抜きんでていようと、商品名が日本人向きでなければ、優れた消費者の検索拡散はあってもロングランセールスとして市場に定着するのは極く一部に限られる。
逆に、機能性能、味覚などがソコソコの商品であっても、名前が実に覚えやすく忘れがたい場合、その商品はロングラン定着する可能性が非常に高い。
そんなことは常識だと国内外企業は口を揃えるかもしれないが、こと日本人に関して言うならば、日本人ほど自国の単語や言葉の響き、イントネーションに敏感な国民は世界広しといえども稀である。
例えばTVに度々露出している誰かが、たったひとこと、鮮烈で印象に残り、覚えやすく、インパクトのある言葉を吐いただけで、その後その人の実力が浅いと公に発覚したとしても、その人の評価はほとんど下がることなく知名度を保持したまま順調な営業活動が続けられる程だ。永遠に色あせないキャッチフレーズとなる、は大げさな表現ではない。
とりわけ海外企業で、自社製品を日本で幅広く末永く御愛用願いたいと思うのであれば、進出前に海外名称を日本向けに改める程度の努力は必要不可欠である。
日本人受けする絶対不文律な単語は各種在るが、ここでは対日本人向け商品名リストとしてロングランの可能性大な副詞パターンを紹介しよう。
◆ あいうえお ⇒ アンアン インイン ウンウン エンエン オンオン
インインのみ言いずらく、負のイメージで✖。その他は強力。ただしユルいイメージを持つア行ではある。
◆ かきくけこ ⇒ カンカン キンキン クンクン ケンケン コンコン
日常使用頻度抜群のカ行。鋭くビビッドなイメージ。
◆ さしすせそ ⇒ サンサン シンシン スンスン センセン ソンソン
ほとんど使用されないスンスンはインイン同様マイナスイメージ。他は使用頻度アリだが平凡なイメージがある。
◆ たちつてと ⇒ タンタン チンチン ツンツン テンテン トントン
日本人には爆発的人気を誇るタ行。どれも音が聞こえリズミカルなイメージ。面白おかしく動きを感じさせる大人気なタ行である。
◆ なにぬねの ⇒ ナンナン ニンニン ヌンヌン ネンネン ノンノン
✖はヌンヌンのみ。インイン、スンスン同様敬遠される。この行は使用頻度は高いが、地味な印象はぬぐえない。
◆ はひふへほ ⇒ ハンハン ヒンヒン フンフン ヘンヘン ホンホン
使用頻度は高いが、意味不明瞭なイメージを持つ。他の副詞や名刺と組合せ、うまく扱えば面白いネーミングが生まれるかもしれない。
◆ まみむめも ⇒ マンマン ミンミン ムンムン メンメン モンモン
子供のイメージがあり、可愛さやあどけなさを感じさせる行である。
◆やゆよ ん ⇒ ヤンヤン ユンユン ヨンヨン ンンンン
日本人にとっては何故か外来語に聞こえるイメージ。当然、ンンンンは言いずらく✖。
しかし、これら50音繰り返し副詞より更に人気のグレードが高いのは、上記に濁点をつけたものである。無論、濁点がつけられる行は限られている。
◆ ガンガン ギンギン グングン ゲンゲン ゴンゴン
猛烈でエネルギッシュな商品には相性抜群メガトン級だ。
◆ ザンザン ジンジン ズンズン ゼンゼン ゾンゾン
ガ行同様猛烈アピールだが歯切れはガ行より劣る。
◆ ダンダン ジンジン ズンズン デンデン ドンドン
ザ行とダ行で重複するジンジン、ズンズンは発音が違う。かなり人気のある副詞が多い。現在進行形のイメージがある。
◆ バンバン ビンビン ブンブン ベンベン ボンボン
ガ行と二大人気を分けるバ行。弾むイメージは抜群だ。
相互組合せ如何で大ヒットなネーミングが誕生すること請け合い。例えば、
バ行のバンバンとビンビンの組み合わせで ビビンバ バンビ。
日本人は覚えたくなくても覚えてしまう。
海外企業には是非認識して頂きたい。