Title : グルグル茶柱MAN
「何故だ。オレが何をした。
お茶屋を営んでいるという、ただそれだけで
何でこんな辱めを受けなければならんのだッ」
「ダンナさん、アチシ今日からバイトなんで
よく分かんないんスけどドユウことですか。
何か…誰かに悪口…言われました?」
「直接言われたわけじゃない。だが聞かなくたって分かるッ、
オレだってマヌケなトウヘンボクって訳じゃないんだからな」
「聞かなくても分かるなんて凄い。
『 不思議人間大集合!』に出ますか!。
今TVでやってんすよ。アチシ大好き!」
「 バカバカしいことを 、
“ 茶番 ”
と小バカにして言うじゃないか。オレはその茶番を毎日してるんだ、
女房が交代してくれる時もあるにはあるが…。
“ 茶化す ”
なんて言葉もあるぞ。
一体誰が吹聴して回ってんだよ、ふざけやがって…」
「怒ってる顔、可愛いっすね。
ウォンバット ( オーストラリア生息のケモノ ) に似てますよ!。
アチシ、ウォンバット大好きなんです!。分かりますか ( 笑 ) 」
「そうやって
茶々
を入れるのか、お前も 」
「あ、お茶入れますか?。丁度アチシも飲みたいと思ってたんスよ」
「ドリフターズとかいうのに
加藤茶
とかいうのが居ただろう。あれもコメディアンだ。
茶を笑いものにして芸名付けたって訳か」
「そういや、チャラいとか言いますよね~。あれも茶だったんスね」
「緑茶
が緑色の茶だと言うなら、
法事茶、麦茶は
茶茶
だろう。その茶々を笑いものにしてる奴らが
何でそれらを飲む?。そういうのを
喉元過ぎれば何とやらって言うんだ、
くそう、ばかにしやがって…」
「外人さんは茶々入れるの、やっぱ
ティーティー入れる
って言うんですかね推定。ティーバックはお茶とどんな関係が…
「ティーバックじゃないよ、ティーパックなんだよ、
関係があるのはティーパックだけなんだよ。大体、
お茶する?
とか言ってる奴らは大抵コーヒーのこと言ってるんだ。
日本人なのにどうしてコーシーを
黒茶
って言わないんだろう。ティーはちゃんと
紅茶
って言ってるのにだ。それこそ茶番だろ、
アナタ今夜は遅かったのね、何か食べる?、
そうだな茶漬けでいいや、
だと!。何だ!、でいいや、って!。
とことん小ばかにしやがって」
「ダンナさん、お茶。いい香りがしてっスよ。飲みましょうよ」
「アッ!茶柱が立ってるぞ ( 笑 ) 」
「え?、茶柱って何ですか」
「茶柱も知らないのか!。驚きだ!。コレだよコレ!」
「え~?。その棒みたいな柱…緑色で、
茶色くは…ないっすけど…」